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呉大猷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/08 09:05 UTC 版)

呉 大猷
生誕 1907年9月27日
広州番禺
死没 2000年3月4日(2000-03-04)(92歳没)
台湾
国籍 台湾
研究分野 核物理学
原子物理学
研究機関
出身校
博士課程
指導教員
サミュエル・ゴーズミット
主な指導学生
署名
プロジェクト:人物伝
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呉 大猷
各種表記
繁体字 吳 大猷
簡体字 吴 大猷
拼音 Wú Dàyóu
ラテン字 Wu Ta-You
和名表記: ご だいゆう
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呉 大猷(ご だいゆう、1907年9月27日 - 2000年3月4日)は、中国出身の物理学者である。カナダアメリカ合衆国台湾中国本土で活動した。「中国の物理学の父」と呼ばれている[1]

生涯

呉は朝末期の広州番禺で1907年9月27日に生まれた。1929年に天津南開大学を卒業した。大学院進学のためアメリカ合衆国に渡り、1933年にミシガン大学Ph.Dを取得した。

大学院卒業後は中国(当時は中華民国)に戻り、北京大学西南聯合大学などで教鞭をとった。1949年、国共内戦中国国民党中国共産党に敗れると、呉はカナダに渡った。

呉は1963年まで、カナダ国立研究機構の理論物理学部門の長だった。1960年代、呉はバッファロー大学物理学・天文学部の学部長を務めた。1962年以降、呉は中華民国の様々な役職を歴任した。1983年から1994年まで、中央研究院院長を務めた。90歳を過ぎても講義を行い、2000年3月4日に92歳で死去した。

業績

呉の博士論文は、アクチノイド系列の当時未発見の超ウラン元素プルトニウムアメリシウムなど)の化学的性質英語版の理論的予測に関するものだった。その後は、固体物理学分子物理学統計物理学およびその他の理論物理学の研究を行った。また、後進の指導も行い、教え子の中には1957年のノーベル物理学賞受賞者である楊振寧李政道がいる。

呉は書籍を数冊刊行している。その中で有名なのは、モノグラフ"Vibrational Spectra and Structure of Polyatomic Molecules"(「多原子分子の振動スペクトルと構造」、1939年)と、大学院生向けの教科書"Quantum Mechanics"(「量子力学」、1986年、共著)、"Relativistic Quantum Mechanics and Quantum Fields"(「相対論的量子力学と量子場」、1991年)である。

栄誉

  • 2002年、中華民国行政院科技部(現 国家科学及技術委員会)は「呉大猷記念賞」を創設した。
  • バッファロー大学物理学科やミシガン大学物理学科は「呉大猷レクチャー」を開催している[2][3]
  • 2008年に天文学者の林啓生イタリア語版叶泉志イタリア語版が発見した小惑星(番号256892)は「呉大猷」(Wutayou)と命名された[1][4]

脚注

  1. ^ a b 256892 Wutayou (2008 DW40)”. Minor Planet Center. 4 September 2019閲覧。
  2. ^ [1]
  3. ^ Ta-You Wu Lecture Archived 2015-06-02 at the Wayback Machine.
  4. ^ MPC/MPO/MPS Archive”. Minor Planet Center. 4 September 2019閲覧。

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