ゲーニッツ (KOF)
(吹きすさぶ風のゲーニッツ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/28 03:05 UTC 版)
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| ゲーニッツ | |
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| ザ・キング・オブ・ファイターズのキャラクター | |
| ゲームでの初登場 | ザ・キング・オブ・ファイターズ'96 |
| 声 | #担当声優を参照 |
| 詳細情報 | |
| 肩書き | 四天王 |
| 所属 | オロチ八傑集 |
| 格闘スタイル | オロチの力 |
ゲーニッツ (Goenitz) は、SNK(SNKプレイモア)の対戦型格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』に登場する架空の人物。
キャラクター設定
『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(以下『KOF』と表記)の第3作目である『KOF'96』(以下『'96』と表記)の最終ボスとして初登場。地球意思・オロチに仕える「オロチ八傑集」と呼ばれる8人を構成する1人である。そのうち4人は「オロチ四天王」と呼ばれ、ゲーニッツはその四天王の一角を担う。「吹き荒ぶ風のゲーニッツ」の異名を持つ[注 1]。
『'96』の中ボスである神楽ちづる同様、MVS版やネオジオROMカセット版でも隠しキャラクターとして使用できる予定であった。
『'96』では、ゲーム中のデモやロード画面、公式イラストなどで瞳孔が垂直のスリット型に描かれている。
人物
ちづるの姉である神楽マキを殺害して封印されているオロチの長を解放したほか、レオナ・ハイデルンの血を覚醒させて彼女の父でもあるガイデルとその妻を殺害させた。オロチ一族の正装[注 2]である牧師に見える服で人を諭すように丁寧な言動をとる礼儀正しい男だが、目的遂行のためには平気で人を殺す冷酷さを兼ね備えている。その行動理念はすべてオロチの意思に従ってのもので、普段のゲーニッツは冷徹非情というわけでもない。また、戦闘中においても言葉遣いの丁寧さは変わらない。
普段は本物の牧師の姿をしているが、キリスト教への信仰などはない[2]。オロチを神と見立てた牧師などではなく、普段は本物の牧師の仕事に就いている。これは彼個人の趣味か何か興味がある所がその宗教にあったからであり、オロチと牧師の仕事として扱う宗教は別個の物と考えている[3]。
『'96』の八神チームの中間デモにおいて、同じオロチ一族のマチュアとバイスはゲーニッツを裏切る行動をとっているが、当のゲーニッツは「八神の血に惹かれるのはオロチの血に惹かれるのと同じこと」としてその行動を許している[注 3]。
他のオロチ四天王である七枷社たちからも一目置かれるほどの高い戦闘能力を持ち、若い頃に当時25歳であったルガール・バーンシュタインの片目を潰している。この行動は、オロチの力を横取りしようとしたルガールに対する報復と、オロチの力が常人に与える影響を知るための実験を兼ねていた[4][注 4]。またルガールをオロチの依り代に使える可能性も考慮していた[5]。
サイコソルジャーチーム(麻宮アテナ、椎拳崇、鎮元斎)のデモでは、鎮から「ルガール以上」と評されていた。また、『'96』の開催前の野試合では、草薙京に圧勝している(京はこの敗北がきっかけでもう一度修行をやり直し、「最終決戦奥義 “無式”」を会得する)。
新世界楽曲雑技団のスタッフ曰く、四天王の各々に作曲された4曲を「オロチ四天王組曲」と呼び、ゲーニッツの専用BGM「TRASH HEAD」は繁栄をイメージしている[6]。
人間に対する態度
オロチの復活を目論むゲーニッツはその障害となる「三種の神器」を根絶やしにすべく、決勝戦終了後の『'96』大会の会場に乱入して京・八神庵・ちづるの3人を抹殺しようとした。しかし、庵の紅い炎の「八酒杯」で動きを封じられ、京の「大蛇薙」で倒された。三種の神器チーム以外のEDの場合、敗北後に自らの風の力で自害する(ゲーニッツ本人がプレイヤーキャラクターの場合は、ちづるが仕掛けた鏡の術によって自らがダメージを受ける設定で息絶える)。
サイコソルジャーチームのデモでは、オロチ復活の原因になった人間を守ることの意味について3人に問いかけた。ゲーニッツは3人が「人間を守ることを『正義』と勘違いして戦ってます」と指摘し、「人間は地球に巣食う害虫である」と言い放ち、「そんな害虫同然の存在を守る価値がありますか?」と問いかけているが、アテナはゲーニッツの問いかけに対して「人間には未来があり、まだ遅くはないはずです」と言い返した。ゲーニッツは敗北後も「人間のために戦ってきたことをあなた方は後悔することになります」と話しているが、アテナは「後悔しません」「人間はいつか変わります」と言い返している。
キム・カッファン率いる韓国チームに対しても、キムの傍らにいるチャン・コーハンとチョイ・ボンゲがキムに出会う前と全く変わっていないことを見抜いて指摘すると、チャンとチョイは咄嗟にごまかした。だが、そのことを看破できず「でたらめを言うな」「2人は更生している」と反論するキムに対して、ゲーニッツは「おめでたい人」と呆れている。
その後
『KOF'97』ではレオナの回想シーンに登場して、レオナにオロチ一族としての覚醒を促す描写が見られる。
『KOF'98』では、エディットチームでルガールを倒した後に流れるスタッフロールの最後に出場キャラクターが総出で登場するが、その中にゲーニッツも姿を見せている。
『KOF2000』では、レオナのアナザーストライカーとして登場、相手の位置を捕捉して「よのかぜ」を仕掛ける。
プレイステーション2版『KOF2002』(以下『2002』と表記)及び『KOF2002 UNLIMITED MATCH』(以下『2002UM』と表記)では隠しキャラクターとして、『KOF'98 ULTIMATE MATCH』(以下『'98UM』と表記)ではゲーニッツルートの最終ボスとして登場する。
本編以外
ゲームボーイアドバンス作品『KOF EX2』では、ゲーニッツの配下であるグスタフ・ミュンヒハウゼンが「十種神宝」の天羽忍にゲーニッツの魂を宿し転生させようとするという設定がある。
『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』(以下『SVC CHAOS』と表記)では乱入キャラクターかつ隠しキャラクターとして登場し、業務用でプレイヤーキャラクターとして初登場する。
『Days of Memories 2 〜僕の一番大切な君へ〜』では主人公の通う大学の教授として登場。『KOF』のオロチ編を基にしたシナリオでは『KOF』同様オロチ復活のために暗躍する。
派生キャラクター
『THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH Online』では、『SVC CHAOS』においてデミトリ・マキシモフのミッドナイトブリスによって女体化された際の姿である「ゲーニッツ(女)」がゲーニッツの裏キャラクターとして登場する。プロフィールのほとんどが元となったゲーニッツから変更されている。
アプリ『THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR』では先述のゲーニッツ(女)とは別デザインの「プリティー・ゲーニッツ」が登場する。女性になったことで身長は変化しているが、それ以外のプロフィールはオリジナルと同一となっている。
他のメディアでのゲーニッツ
『コミックゲーメスト』に掲載された『ゲーニッツ外伝 THE KING OF FIGHTERS'96 ミレニアム・ゼロ』(著:天獅子悦也)は、先述の当時18歳のゲーニッツを主人公に置いた外伝作品で、当時25歳のルガールとの戦闘が描かれている[7]。ルガールをギースとクラウザーに並ぶ「オロチ復活の先触れとなる『3匹の蛇』の一角」と見込み、マチュアとバイスを伴ってルガールの空母[注 5]を急襲、ルガールにオロチの力を与える代わりに彼の右目を奪い、オロチからの力を受け取るための媒介として少女時代のマチュアとバイスを彼に仕えさせた。この作品では手を触れずに周りの人間の肺から空気を抜き、風で銃弾や神経ガスを躱し、艦内の鋼板をねじ曲げてルガールを拘束するなどといった芸当を行っている。
コミック版『KOF京』(著:夏元雅人)では、ちづるにオロチの技を封印されただけであり、死んではいない。
鷹岬諒の『ザ・キング・オブ・ファイターズG(ギガ)』では、『'96』のストーリー通りKOF開催前の野試合で草薙京に完勝するが、本ストーリーではこの野試合での敗北がきっかけとなって主人公チームが崩壊し、マチュアとバイスはエディットチームを結成する契機として利用している。また、KOFが始まったあとも1回戦から会場を訪れており、偶然すれ違った不知火舞に暗黒パワーを注入し凶暴化させている。マチュアの結成した京チームとバイスの結成した八神チームが激突する2回戦の途中、会場に紛れ込んでいたゲーニッツは暗黒パワーを開放、客席にいる一般人は息が出来ず苦しみだし、精神力の弱い格闘家が我を忘れて凶暴化する地獄絵図を作り出し、乱入する。自身の周りに風の結界を作り出し、その中で京を圧倒するも、アテナのテレポートで結界内に現れた庵と京の攻撃により最終的に倒された。
登場作品
- ザ・キング・オブ・ファイターズシリーズ
- ザ・キング・オブ・ファイターズ'96
- ザ・キング・オブ・ファイターズ'97(怒チームの中間デモおよび日本チームのエンディング)
- ザ・キング・オブ・ファイターズ'98(特定のエンディング)
- ザ・キング・オブ・ファイターズ2000(レオナのアナザーストライカーとして)
- ザ・キング・オブ・ファイターズ2002(プレイステーション2版のみ)
- ザ・キング・オブ・ファイターズ2003(エディットチームの真エンディング)
- ザ・キング・オブ・ファイターズ'98 ULTIMATE MATCH
- ザ・キング・オブ・ファイターズ2002 UNLIMITED MATCH(家庭用のみ)
- ザ・キング・オブ・ファイターズ'98 ULTIMATE MATCH ONLINE
- ザ・キング・オブ・ファイターズ ALLSTAR
- ザ・キング・オブ・ファイターズXV(DLCキャラクター)
- SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS(乱入キャラクターかつ隠しキャラクターとして登場)
- SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ(個別キャラクターカードとして)
- Days of Memories 2 〜僕の一番大切な君へ〜
担当声優
- ゲーニッツ
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- 島よしのり(『'96』 - 『2002』)
- 赤城進(『XV』、アニメ『THE KING OF FIGHTERS:DESTINY』、アプリ『THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR』)
- 安元洋貴(アプリ『THE KING OF FIGHTERS for GIRLS』[8])
- ゲーニッツ(女)
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- 田村茜音(アプリ『THE KING OF FIGHTERS'98 ULTIMATE MATCH ONLINE』)
- 上田麗奈(アプリ『THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR』)
脚注
注釈
- ^ 名前の由来はアニメ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの登場人物「ゲーニッツ」、異名はアニメ『サイボーグ009』第2期のオープニング曲「誰がために」の歌詞から来ている[要出典]。
- ^ 八傑集の8人それぞれに細部のデザインが異なる正装姿の設定があり[1]、オロチチームの3人の正装姿に関しては『'98』のエンディングにて登場している。
- ^ 『'98UM』での八神チームに対するゲーニッツの勝利セリフ
- ^ 当時18歳だったというのは天獅子悦也の漫画『ミレニアム・ゼロ』にしか出ていなかった内容で、実際の年齢がいくつだったかは不明。
- ^ この作品では「ブラックノア」ではなく「ルガール・B」という艦名となっている。
出典
- ^ 『オロチ編完全設定原画集』 270頁。
- ^ 『KOFキャラクターズ KOF'94~'97 全45キャラ設定資料完全収録』p.60
- ^ 『KOFキャラクターズ KOF'94~'97 全45キャラ設定資料完全収録』p.110
- ^ 『'96 ファンブック』 94頁。
- ^ 『ザ・キング・オブ・ファイターズ オロチ完結編 イラストノベルス』
- ^ 『ザ・キング・オブ・ファイターズ'98 アレンジサウンドトラックス/SNK 新世界楽曲雑技団』 PCCB-00337(CD) ポニーキャニオン 1998年9月18日
- ^ 『コミックゲーメスト』 1997年4月号 139頁-178頁。
- ^ THE KING OF FIGHTERS for GIRLS【公式】の2020年10月8日のツイート、2020年10月8日閲覧。
参考文献
- 『KOFキャラクターズ―KOF’94~’97 全45キャラ設定資料完全収録』 ISBN 4-87465-406-1 芸文社 1998年4月
- 『コミックゲーメスト』 新声社
- 『ゲーメストムック Vol.56 ザ・キング・オブ・ファイターズ'96 ROUND3 ファンブック』 ISBN 4-88199-304-6 新声社 1996年12月
- 『GAMEST MOOK Vol.117 ザ・キング・オブ・ファイターズ'94~'97 オロチ編完全設定原画集』 ISBN 4-88199-459-X 新声社 1998年2月
- 鷹岬諒『ザ・キング・オブ・ファイターズG』全3巻、1巻 ISBN 4-88199-350-X 1997年6月 2巻 ISBN 4-88199-388-7 1997年10月 3巻 ISBN 4-88199-436-0 1998年2月 新声社 コミックゲーメスト
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