含有される二酸化炭素と水の起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 19:45 UTC 版)
「船小屋温泉」の記事における「含有される二酸化炭素と水の起源」の解説
冷鉱泉に含有されている炭酸の起源を、炭素の同位体の比率を利用して解析した結果、その供給源は、プレートテクトニクスによって地中に沈み込んだ海中に有った炭酸塩が約56パーセント、地球のマントルから新たに上昇してきた二酸化炭素が約35パーセント、堆積した有機物が分解された結果として発生した二酸化炭素が約9パーセントだと判明した。また、鉱泉水中の水素の同位体の比率と酸素の同位体の比率とを併用して解析した結果、水の供給源は、海水が沈み込んだ化石水でも、マントルから出てきた処女水でもなく、雨によって涵養された地下水だと判明した。したがって、雨水が地下へと浸透し、それにマントルやプレートテクトニクスで沈み込んだ炭酸塩から二酸化炭素を供給され、それが地上へと湧出していると考えられている。なお、鉱泉水中に含有されている微量なヘリウムの同位体の比率を解析した結果、地球の大気に由来したヘリウムは1‰以下であるのに対して、マントルを起源とするヘリウムが約6割、地殻を起源とするヘリウムが約4割と推定された。これも、船小屋温泉で湧出している鉱泉水が、何らかの形で地球深部から供給されている気体成分を取り込んでいる事を示している。
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