同所的種分化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 06:05 UTC 版)
同所的種分化とは全く地理的に隔離されていない集団から新種が誕生することである。同所的種分化の例としてよく言及されるのは、同じ場所で異なる植物に依存している昆虫である。昆虫は幼虫の頃食べていた植物に産卵するために、親が間違えて異なる植物に産卵した場合、その子孫は新たな植物だけに産卵するようになるかも知れない。しかし同所的種分化に関してはまだ議論がある。反対者はそれがスケールの小さな異所的種分化かニッチ選択の結果のヘテロパトリックな種分化であると主張した。同所的種分化としてもっとも認められている例は東アフリカのナブガボ湖のシクリッドである。 同所的種分化に分類される特殊な種分化として、倍数体がある。ゲノムが倍数化し、にもかかわらず繁殖能力を失わなかった場合、他の個体からは生殖隔離され、新たな種が誕生する。同質倍数体、異質倍数体のいずれでも種分化は起こりうる。倍数体による種分化は植物ではありふれているが、動物では非常にまれで、そのほとんどは単為生殖をする種である。これは動物が自家受粉を起こさないため、倍数体が1個体で繁殖するのが困難だからと推測されている。
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