合成化学での用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 14:43 UTC 版)
一酸化炭素はC1化学の分野において、重要な原料化合物である。また、有機化学においてはカルボニル基の原料として、無機化学においては配位子として、一酸化炭素の応用範囲は広い。 例えば、ハロゲン化アリール(芳香族ハロゲン化物)にパラジウムなどの遷移金属触媒と求核剤を加えてクロスカップリングさせる際、一酸化炭素を共存させるとカルボニル基の挿入が起こる。 Ar − I + CO + ROH {\displaystyle {\ce {Ar - I + CO + ROH}}} (アルコール)+ (Pd触媒) ⟶ Ar − C ( = O ) − OR {\displaystyle {\ce {-> Ar - C(=O) - OR}}} (エステルの合成:アルコキシカルボニル化) Ar − I + CO + H 2 {\displaystyle {\ce {Ar - I + CO + H2}}} + (Pd触媒) ⟶ Ar − CHO {\displaystyle {\ce {-> Ar - CHO}}} (アルデヒドの合成:ホルミル化) アルケンに対しても、適切な触媒の作用でホルミル基 (−CHO) の付加を行うことができる。これをヒドロホルミル化、あるいはオキソ法とよび、各種アルデヒドの工業的な製法のひとつである。また、日光や触媒により塩素と反応させるとホスゲン(COCl2、工業化学上重要な化合物、かつて毒ガスとして用いられていた)が得られる。 ほか、一酸化炭素を利用する人名反応として、ガッターマン・コッホ反応 (Gattermann-Koch reaction)、コッホ・ハーフ反応 (Koch-Haaf reaction) などが知られる。
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