古典的な反転公式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 00:40 UTC 版)
「メビウスの反転公式」の記事における「古典的な反転公式」の解説
古典的なバージョンは次のようなものである。g と f が、すべての正の整数 n に対して g ( n ) = ∑ d ∣ n f ( d ) {\displaystyle g(n)=\sum _{d\,\mid \,n}f(d)} を満たす数論的関数であれば、すべての正の整数 n に対して f ( n ) = ∑ d ∣ n μ ( d ) g ( n / d ) {\displaystyle f(n)=\sum _{d\,\mid \,n}\mu (d)g(n/d)} が成り立つ。ここで μ はメビウス関数であり、和は n のすべての正の約数 d を渡る。要するに、もとの f (n) は g (n) が与えられると反転公式を用いて決定することができる。2つの数列は互いのメビウス変換 (Möbius transform) と呼ばれる。 公式は f と g が正の整数から(Z-加群と見た)アーベル群への関数であるときにも正しい。 ディリクレの畳み込み(英語版)を用いて、最初の式を g = f ∗ 1 {\displaystyle g=f*1} と書くことができる。ここに * はディリクレの畳み込みを表し、1 は定数関数 1 ( n ) = 1 {\displaystyle 1(n)=1} である。すると二番目の式は f = μ ∗ g {\displaystyle f=\mu *g} と書ける。多くの具体例は乗法的関数の記事で与えられている。 定理は * が(可換かつ)結合的であり、1 * μ = ε であることから従う、ただし ε はディリクレの畳み込みに対する単位元であり、ε(1) = 1 および n > 1 に対して ε(n) = 0 という値を取る。したがって μ ∗ g = μ ∗ ( 1 ∗ f ) = ( μ ∗ 1 ) ∗ f = ε ∗ f = f {\displaystyle \mu *g=\mu *(1*f)=(\mu *1)*f=\varepsilon *f=f} となる。
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