単純な相補性検定の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/06 15:38 UTC 版)
「遺伝的相補性」の記事における「単純な相補性検定の例」の解説
相補性検定の簡単な例として、遺伝学者がキイロショウジョウバエの白眼の二系統の研究に興味があることを想定しよう。この種では、野生型は赤眼を持ち、眼の色は二つの遺伝子AとBに関係があると知られている。これらの遺伝子はそれぞれ二つの対立遺伝子を持ち、機能的なタンパク質をコードしている優性遺伝子(それぞれAとBとおく)と、機能的でないタンパク質をコードしている劣性遺伝子(それぞれaとbとおく)とがある。両方のタンパク質は眼の赤い色素の合成必要であり、もしaかbいずれかについてホモ接合なら、ハエは白眼を持つことになる。 これを知りながら、遺伝学者は白眼のハエの純系から独立に得られた二つの系統に、相補性検定を行うとしよう。検定はそれぞれの系統から一匹ずつ選ばれた二匹のハエを交雑することで行われる。もし結果として子孫が赤眼を持つなら、二つの系統は相補性を示したと言える。子孫が白眼を持つなら、そうでなはなかったと言える。 もし系統が相補的なら、我々は一方の系統がaaBBで他方の系統がAAbbであることを想像でき、それらは交雑されたとき遺伝子型AaBbを生み出すだろう。言い換えれば、それぞれの系統は同じ表現型を示す異なる欠陥についてホモ接合である。もし系統が相補的でないなら、それらは共に遺伝子型aaBBかAabb、あるいはaabbであった。言い換えれば、それらはどちらも同じ欠陥についてホモ接合だったのであり、それらは明らかに同じ表現型を示すだろう。
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