遺伝的相補性とは? わかりやすく解説

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遺伝的相補性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/06 15:38 UTC 版)


遺伝学における相補性(そうほせい)とは、ある生物の二つの異なる系統――どちらも同じ表現型(例えば、ハエにおける翅の構造変化など)を示す劣性変異ホモ接合――の間に見られる関係性を指す。これらの系統はそれぞれの変異について純系である。これらの系統が交雑されたとき、もしある子孫が野生型表現型の回復を示すなら、これらの系統は「遺伝的相補性」を示している。相補性が示されるとき、それぞれの系統のハプロイドが他方の系統のハプロイドの変異した対立遺伝子を「補う」ことで、子孫はすべての関係する遺伝子に関してヘテロ接合を持っている。変異は劣性なので、子孫は野生型表現型を示す。相補性検定(シス-トランス検定とも)とはこの実験を指し、アメリカ人遺伝学者エドワード・B・ルイスによって開発された。この実験は「遺伝子Xの野生型コピーは、遺伝子Xを定義すると信じられている変異型対立遺伝子の機能を回復するか?」という疑問に答える。野生型遺伝子によって機能が補われることが観察可能な対立遺伝子(すなわち、劣性対立遺伝子)があるとき、この劣性対立遺伝子によって失われる機能は、異なる変異型対立遺伝子よっても補われるか?という問題を考える。もしそうできないなら、二つの対立遺伝子は、同じ遺伝子に関して欠損があるに違いない。この検定の利点は、分子レベルでその遺伝子が何をしているかわからなくとも、遺伝子機能の結果として形質を捉えることができるという点である。[1]




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