半導体の型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 08:51 UTC 版)
不純物や格子欠陥を全く含まない半導体を真性半導体(intrinsic semiconductor)と呼ぶ。真性半導体は、そのフェルミ準位は禁制帯の中央に位置し、全温度領域においてキャリアは価電子帯のエネルギーレベルにある電子の励起によってのみ供給されることから、電子回路に用いるような半導体素子としては使い難い。 半導体素子として用いることができるような半導体は、真性半導体にドーパントと呼ばれる微量の添加物を混ぜて不純物半導体とする(ドープする)ことで作成する。このドープによって、半導体のキャリアである電子または正孔の密度が変化することとなるが、伝導現象を支配するキャリアとして電子が優勢である半導体をn型半導体(negative semiconductor)、逆に正孔が優勢なものをp型半導体(positive semiconductor)と呼ぶ。このような優勢なキャリアを多数キャリア(majority carrier)、逆に劣勢なキャリアを少数キャリア(minority carrier)と呼ぶ。n型半導体での多数キャリアは電子、少数キャリアは正孔である。p型半導体での多数キャリアは正孔、少数キャリアは電子である。なお、p型半導体やn型半導体はドーピングしなければ作れないというわけではない。カーボンナノチューブはP型半導体として知られている。
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