動物の世代交代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/25 09:40 UTC 版)
刺胞動物の生活環が世代交代と呼ばれる場合がある。世代交番(せだいこうばん)とも呼ばれる。 例えばミズクラゲなどはクラゲが卵と精子を放出すると、受精卵は発生を進めて楕円形のプラヌラ幼生となる。この幼生は固い底面に定着すると、上側の口の周囲に触手をもつポリプとなる。ポリプは分裂によって無性生殖を行って数を増やす。やがてポリプは多数の皿を重ねたような姿に分裂し、個々の皿がバラバラになって、それぞれがクラゲになる。クラゲは成長すると卵と精子を作る。刺胞動物でも、イソギンチャクやサンゴは世代交代をせず、ポリプに生殖巣ができて有性生殖を行う。有櫛動物は刺胞動物に近いが、世代交代をせずクラゲのみが存在する。 このように、幼生であるポリプが無性生殖を行い、親であるクラゲが有性生殖を行うことから、前者を無性世代、後者を有性世代と呼び、この生活環を世代交代であると見なすのである。しかし、この両者は成長段階として連続しているとも見ることができ、その核相はどちらも2nである。したがって、植物などに見られる核相の交代を伴う世代交代とは全く異なる現象である。扁形動物の吸虫類や条虫類も幼生が無性生殖を行うので、同様に世代交代を行うと言われることがある。 ただし、この場合、2つの世代は核相としては同じである。また、2つの世代が本当に別の世代と見なせるかどうかには問題がある。
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