労働経済学からの観点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:19 UTC 版)
人々が外見的魅力によって労働市場で被る損益の原因については、①生産性とは無関係な雇用主による差別、②消費者が美形を好むことによって結果的に生産性が高まる場合、③美形であること自体が生産性を向上させる場合、の3つが考えられ、②と③は生産性の裏付けがあるため効率性の観点からは問題がないとされる。ロイヤル・ホロウェイの経済学者ダニエル・ハマーメッシュは、自営業者に対する調査をもとに①の雇用主による差別説を退けているが、その後日本国内での長身プレミアムに関する研究では雇用主からの差別を示唆する研究結果が出ている。 このような格差に対して、機会均等を理由に政策的な介入も提案されている。ハーバード大学のマクロ経済学者ロバート・バローは「美男美女税」、「不器量補助金」を提案している。また、獨協大学経済学部教授の森永卓郎は「イケメン税」を提案している。ただし、①のように生産性の裏付けのない単なる差別の場合はこのような政策をとるのではなく、容貌による賃金差別を一律に禁じたほうが社会全体の生産性が高まると大阪大学大学院経済学研究科教授の大竹文雄は述べている。
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