前裝式の危険性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 03:47 UTC 版)
撃発に失敗し不発射を生じた際の対応が難しい構造である。後裝式の場合は尾栓を開けるか、遊底を操作することで不発弾を薬室から除去できるのに対し、前裝式では尾栓や遊底が無いため除去作業も砲口から行なわなければならず、もし除去作業中に遅発が発生した場合はバレル内で加速された弾が自分に向かって飛んで来るという危険なものになる。 また、前裝式では外見から容易に装填状態か否かを確認する術が乏しいので、1879年1月12日に発生したイギリス海軍の砲艦「サンダーラー(英語版)」の主砲暴発事故のように、未装填状態だと思い込んで、装填済みの火器に装薬や弾丸を二重に装填して発砲する事故がしばしば起こった(サンダーラーの事故では二重装填された381mm砲が爆発。11名が死亡。30名が負傷する大惨事となった)。現代でも迫撃砲の二重装填事故は珍しくない。
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