判官贔屓と吾妻鏡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:05 UTC 版)
また伝説の義経像には陰影があり感傷的であるが、実像に近いと思われる『平家物語』の義経像は明るく闊達な勇者であり、何の陰りもない。ところが幕府編纂の『吾妻鏡』は、反逆者であるはずの義経に対して非常に同情的であり、義経の心情に立ち入っている記述が多く見られ、「判官贔屓」の度合いが強い。頼朝については弟達への冷酷さを隠そうとはせず、静御前の舞の場面では、凛然たる静と政子に対し、狭量で頑迷な頼朝という描写は悪意的なものがある。また、義経を讒言した梶原景時を悪人として断じている。景時は北条氏によって幕府から追放された人物である。『吾妻鏡』は「判官贔屓」の構図を作り、源氏から政権を奪った北条氏の立場を正当化していると見られる。
※この「判官贔屓と吾妻鏡」の解説は、「源義経」の解説の一部です。
「判官贔屓と吾妻鏡」を含む「源義経」の記事については、「源義経」の概要を参照ください。
- 判官贔屓と吾妻鏡のページへのリンク