刑法の機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/23 05:38 UTC 版)
規制的機能 行為に対する規範的評価を明らかにする機能を規制的機能という。ここには、一定の行為を犯罪と規定することで、これに対する否定的評価を明らかにする機能(評価的機能)と、犯罪行為に対する制裁(刑罰)を規定することにより、一般の人々を犯罪から遠ざける機能(意思決定機能)を含む。 保護的機能(法益保護機能) 一定の法益(法により保護されるべき利益)に対する侵害行為に対して制裁を加えることで、法益を保護し、社会生活における秩序を維持する機能を保護的機能という。秩序維持機能ともいう。 保障的機能(人権保障機能) 刑法は、一定の行為を犯罪と規定し、これに対する刑罰が予め明示しており、一般市民は犯罪を犯さない限り刑罰を科されることはなく、また、犯罪者はその範囲内でのみ処罰される。このように、国家の刑罰権の行使を制限することで、一般市民及び犯罪を犯した者の自由を保障する機能を保障的機能という。ここから、刑法は「善良な市民のマグナ・カルタ」であると同時に「犯罪人のマグナ・カルタ」であるといわれる。「マグナ・カルタ的機能」ともいう。
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