具体的権利と抽象的権利
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:00 UTC 版)
請求権的性格を有する基本的人権をめぐっては抽象的権利と具体的権利の区別の問題を生じる。 例えば、日本国憲法第25条の権利を、抽象的権利と解する説では、憲法第25条を具体化する法律が存在しているときにはその法律に基づく訴訟において憲法第25条違反を主張することができるとしつつ、立法または行政権の不作為の違憲性を憲法第25条を根拠に争うことまでは認められないとする。一方、具体的権利と解する説では、憲法第25条を具体化する法律が存在しない場合でも、国の不作為に対しては違憲確認訴訟を提起できるとする。 ただ、立法不作為の確認訴訟にとどまるものに「具体的」、憲法第25条違反として裁判で争う可能性まで残されているものに「抽象的」といった名称を用いることには疑問の余地があるとする指摘もある。
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