値幅制限(ねはばせいげん)
社会情勢の混乱などによって市場価格が大きく変動すると、投資家に不測の損害を与えるおそれがある。そこで、株式価格の変動幅を上下一定範囲に制限している。
1日の株式価格の変動幅は、前日の終値を基準にして設定される。基準価格に応じて値幅制限が決まるが、だいたい1割程度の変動幅に抑えられている。その制限値幅の上限まで株価が上がると「ストップ高」といい、反対に下限まで下がることを「ストップ安」という。
ストップ高またはストップ安になると、その株券の取引は一時中断される。混乱の中で、買いが買いを呼んだり売りが売りを呼んでいる状態は、投資家の判断を誤らせ、非常に危険な結果を招くからだ。株価の急騰と急落を防ぐメカニズムによって、投資家の判断が冷静になるまで取引再開を待つことになる。
資本主義経済では、価格の形成を市場に任せるのが原則だ。しかし、ブラックマンデーをはじめ、株式市場の混乱が経済社会に深刻な影響を与える事件も起こっている。株式市場の動向によっては、私たちが受け取る年金などにも影響があるため、株式価格の形成には慎重さも求められている。
(2001.09.17更新)
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