保険診療と自由診療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:48 UTC 版)
医療先進国のアメリカでは虫歯で神経をとりクラウン(かぶせもの)まで治療すると1歯につき100万円を超えることもあるのに対して日本で健康保険を利用すれば同様の治療が1万円ほどで済むなど国民皆保険制度は日本が世界に誇る医療制度であるが、その分歯科医師に対しての診療報酬も低く抑えられており、経済原理から患者一人当たりの診療時間が極端に短くなったり、使用する医療機器、材料などに自然と制限がかかってしまっている現実がある。 歯根端切除術が保険診療で行われる場合、その診療報酬の低さから手術用顕微鏡が用いられないことが多く逆根管充填も行われないことが多い。その結果として手術の成功率が低くなり、抜歯が第一選択とされてしまう一因となっている。逆根管充填のない歯根端切除術は治癒率が極端に低いため、歯をどうしても残したいと訴える患者に対して抜歯前の一時的な儀式となってしまっている場合も多い。 自由診療で行われる場合、CTと手術用顕微鏡をそろえ積極的に広告を出している歯科医院であれば症例数も豊富であり、逆根管充填もしっかり行われる等、専門性の高い治療を受けられる可能性が高い。しかし医療機関や担当する歯科医師の技量によってもことなるが、手術費用が1本につき10万円以上する場合もある。 保険診療で自由診療と同様の歯根端切除術を行う場合、現在の保険診療報酬では医療機関側の完全な持ち出しとなるため積極的に歯根端切除術を行う歯科医院が少なく歯根端切除術の普及が妨げられる一因となっている。
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