保存運動の失敗と解体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 06:37 UTC 版)
「カボット (空母)」の記事における「保存運動の失敗と解体」の解説
1989年8月、スペイン海軍から除籍された「カボット」はアメリカに戻り、翌年6月29日にアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定された。船体を博物館へ転換するため民間団体が無償で譲り受けたものの、この運動は成功せず、ニューオーリンズのドックに係留されたまま年月が経過した。民間団体が負債を支払えなくなったため、船体は競売にかけられることとなり、連邦保安官により1999年9月10日にテキサス州のブラウンズビルにあるサベ・マリーン・サルヴェージ社(Sabe Marine Salvage)へと引き渡された。2000年11月よりブラウンズビルで船体の解体作業が開始され、翌年2001年8月7日には国定歴史建造物の指定も取り消された。 2002年に船体の廃棄が完了したものの、この時点で「カボット」の艦橋部分だけは残っていた。これは第二次世界大戦時に数百隻以上も存在した軽空母および護衛空母の最後の遺産でもあった。テキサス州リオ・ホンドにあるテキサス航空博物館が保存のため動き出したが、程なくして閉館となったためこの運動も頓挫し、ついに艦橋部分も取り壊されてしまった。 その後、ペンサコーラの国立海軍航空博物館が「カボット」の艦橋のレプリカを製作した。飛行甲板を模した展示スペースで艦載機とともに展示されており、大戦中の姿をしのぶことができる。
※この「保存運動の失敗と解体」の解説は、「カボット (空母)」の解説の一部です。
「保存運動の失敗と解体」を含む「カボット (空母)」の記事については、「カボット (空母)」の概要を参照ください。
- 保存運動の失敗と解体のページへのリンク