作用準同型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/26 09:20 UTC 版)
同種の算法族 R が構造を定める代数系 A, B とその間の準同型 f: A → B を考える。また、A, B が同じ作用域 Λ を持ち、Λ の作用が (πA, Λ, A), (πB, Λ, B) であたえられているとする。準同型 f が写像として f ∘ π A ( λ ) = π B ( λ ) ∘ f {\displaystyle f\circ \pi _{A}(\lambda )=\pi _{B}(\lambda )\circ f} を任意の λ に対して満たすならば、準同型 f: A → B は Λ の作用込みの準同型であるという。簡単に作用準同型とか Λ-準同型などとも呼ぶ。 Λ の作用が A, B ともに右から与えられているとき、A → B が Λ-準同型である条件は f ( x π A ( λ ) ) = f ( x ) π B ( λ ) {\displaystyle f(x^{\pi _{A}(\lambda )})=f(x)^{\pi _{B}(\lambda )}} を Λ の任意の元 λ と A の任意の元 x に対して満たすことであり、ともに左作用ならば f ( π A ( λ ) x ) = π B ( λ ) f ( x ) {\displaystyle f(\pi _{A}(\lambda )x)=\pi _{B}(\lambda )f(x)} を Λ の任意の元 λ と A の任意の元 x に対して満たすことと述べられる。一方が左からで他方が右からの場合でも同様に書ける。また、作用を省略して書けば f ∘ λ = λ ∘ f {\displaystyle f\circ \lambda =\lambda \circ f} が成り立つこととなり、写像の合成を二項演算とみなす立場から、この条件は「f が Λ の作用と可換であること」と述べられる。 また、Λ-準同型 f: A → B に対して、像 I m ( f ) := { f ( a ) ∈ B ∣ a ∈ A } {\displaystyle \mathrm {Im} (f):=\{f(a)\in B\mid a\in A\}} は B の部分代数系であるばかりでなく、Λ-代数系としての部分系である。このことを指して、Λ-準同型は Λ-代数系の構造を保つという。またこのことは、代数系 (A, R) から、その上の作用を単項演算族とみなして S = R ∪ {πA(λ) | λ ∈ Λ} とおくことにより、新たな代数系として (A, S) = (A, R, (πA, Λ)) を考えるならば、通常の意味で代数系の構造を保つということおよび準同型を考えるということに同じである。
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