佐野シャント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/13 19:21 UTC 版)
佐野シャント(英語版)または右室肺動脈導管(RV-PA conduit)では、単心室の心室壁を一部切開して小孔を開け、ゴアテックス製の導管で心室と肺動脈を接続する。このためシャントから供給される血流はBTシャントよりも拍動性になる。ノーウッド変法(modified Norwood procedure)、佐野変法または佐野手術(Sano modification)とも呼ばれる。 佐野シャントがBTシャントを用いたノーウッド手術の原法と異なる点は、体循環と肺循環のバランスが崩れにくいことである。BTシャントの場合は新しい大動脈の血流の一部が肺循環に供給されることになるので、患児が啼泣して肺血管抵抗が上がるとチアノーゼが増悪するが、泣き止んで肺血管抵抗が下がると体循環の血流量が一気に減少、血圧が低下し突然死の原因になる(特に拡張末期圧低下は冠動脈の血液灌流を減少させ、心原性ショックを起こす)。しかし佐野シャントを用いた場合は、体循環と肺循環の血液灌流量は心臓から拍出された時点で決まるので、体循環への血流量が肺循環に取られることがない。両者のバランスは人工血管の大きさにより調節出来る。
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