位相的線型包
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 09:39 UTC 版)
函数解析学において、ベクトルの集合の張る閉部分空間(閉線型包)もしくは位相的に生成する部分空間(位相的線型包)とは、その集合を含む最小の閉部分空間を言う。X がノルム線型空間で E を X の空でない部分空間のとき、E が位相的に張る部分空間 Sp(E)(あるいは span(E))は、X の閉部分空間で E を含むもの全ての交わりに等しい。一つの定式化としては span ¯ ( E ) = { u ∈ X ∣ ∀ ϵ > 0 , ∃ x ∈ span ( E ) , ‖ x − u ‖ < ϵ } {\displaystyle {\overline {\text{span}}}(E)=\{\,u\in X\mid \forall \epsilon >0,\,\exists x\in {\text{span}}(E),\;\|x-u\|<\epsilon \,\}} がある。 注意 与えられた集合の線型包は閉線型包の中で稠密である。さらに以下に述べる補題の意味で、閉線型包は実際に線型包の閉包になっている。 閉線型包は閉部分空間を扱う上で重要である(閉部分空間自体、リースの補題を考えれば、非常に重要である)。 補題 X がノルム線型空間で E は X の空でない任意の部分集合とする。 span ¯ ( E ) {\displaystyle {\overline {\text{span}}}(E)} は E を含む X の閉線型部分空間である。 span ¯ ( E ) = span ( E ) ¯ {\displaystyle {\overline {\text{span}}}(E)={\overline {{\text{span}}(E)}}} , すなわち span ¯ ( E ) {\displaystyle {\overline {\text{span}}}(E)} は span ( E ) {\displaystyle {\text{span}}(E)} の閉包である。 E ⊥ = ( span ( E ) ) ⊥ = ( span ( E ) ¯ ) ⊥ . {\displaystyle E^{\perp }=({\text{span}}(E))^{\perp }=({\overline {{\text{span}}(E)}})^{\perp }.} ゆえに、閉線型包を求める方法として、まず線型包を求めてからその閉包を取るのが普通である。
※この「位相的線型包」の解説は、「線型包」の解説の一部です。
「位相的線型包」を含む「線型包」の記事については、「線型包」の概要を参照ください。
- 位相的線型包のページへのリンク