伝統地名の尊重と新地名の創作の是非
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 15:20 UTC 版)
「地名研究家」の記事における「伝統地名の尊重と新地名の創作の是非」の解説
伝統的な地名の付け方を尊重し、市町村合併や住所変更などで創作される新地名(合成地名、ひらがな・カタカナ地名、広域地名、方角地名、瑞祥地名など)について否定的・批判的な意見をもつ地名研究家が多い。ただし、従来からある合成地名や方角地名など(蒲郡市や東京など)に対しては容認するか、批判的ではあっても改称を働きかけることまではしない。 上記のような考えを持つため、単純に「イメージが良い」「知名度が高い」地名を好む者たちとの間ではしばしば対立する。たとえば、地名研究家は自己の領域よりも広域の地名を用いることを「広域地名の僭称」と呼び、その地名を「僭称地名」といって批判の対象とすることがある。当事者である地域住民も古い地名への愛着から新地名に不満を示したり批判したりする場合も多い一方で、新興住宅地などで地域住民の不満がほとんどないような地名では住民と地名研究家の間で意見が食い違うことになる。 多くの場合、町名地番を審議する市町村の住居表示審議会などでは、地名研究の実績のないような大学教授や、地方の名士が参加して審議し、町名が決定されていることが多い。平成の市町村合併の際にも、審議会では地名の専門家や「普通の」住民が参加することは稀で、町会長、商店会長、郵便局長、警察署長、地方議員など地名変更推進派、あるいは合理主義者が変更を主導することが多く、地名研究家の出番は極めて少なかった。
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