二重・三重結合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/11 04:08 UTC 版)
1930年代、有機化合物の二重または三重共有結合を説明するために異なる2つのモデルが提示された。ライナス・ポーリングは二重結合は2つの等価な結合によるものであるとし、それはのちにバナナ結合またはタウ結合 (tau bond) と呼ばれるようになった。一方、エーリヒ・ヒュッケルは二重結合をσ結合とπ結合の組み合わせによるものであるとした。ヒュッケルのモデルのほうが広く知られ、20世紀後半以降の教科書のほとんどがこちらを採用している。しかし、2つの説明のうちどちらが優れているのかという議論はまだ存在し、一部の理論化学者は2つのモデルは実質的に等価であると考えている。1996年のレビューで、Kenneth B. Wibergは「今日得られる情報からでは結論できないが、エチレンのσ/π結合による表現と曲がった結合による表現は等価であると考え続けることはできる。」と述べている。Ian Flemingは2010年に出版した教科書でさらに深く述べていて、2つのモデルの「全ての電子の配分 [中略] は正確に同じである。」としている。 タウ結合によるエチレンの二重結合形成 ヒュッケルのσ-πモデルによるπ結合の形成
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