中島斌雄とは? わかりやすく解説

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中島斌雄

中島斌雄の俳句

わが噴煙描き晩夏の髭伸ばす
わが死後も山の月光樅を植う
エビネラン一角獣をさしまねき
一月の産湯や艪櫂横たわり
一湾の月下なりけり夜光虫
今年竹晩齢の涯蒼茫と
信濃は父蝮のにおい草に瀬に
冬の鳥射たれ青空青く遺る
凱旋門敗者もくぐる雷を追い
初暦イエスパウロの道あり
国境過ぐ岩と蛇との空間澄み
塵労の胸より雲雀鳴きのぼる
子へ買ふ焼栗夜寒は夜の女らも
山中に銀河を語る大銀河
師よ友よ昔日の雷野をわたる
或る記憶熱風道の幅に来る
抱き上げて冬日のにほふ子供かな
抽斗に樹林の暮色冬の雷
指の傷しづかに疼む秋の蝶
摘み溜めし早蕨啓く大自在
敵意満つ地やきらきらと蜥蜴の尾
旗遠く蓑虫白い風ばかり
明日へ眠らん寒夜一個の林檎の香
春干潟生くるものみな砂色に
月光の外套のまゝ歩み入る
朝焼へ朝焼へ兵の貨車退る
氷菓尽きぬこの人に何も与へ得ざりき
涸れ川を鹿が横ぎる書架のうら
爆音や乾きて剛き麦の禾
犬の舌夕雲氷る水に鳴る
稲架の棒芯まで雨を吸ふ頃ぞ
置手紙西日濃き匙載せて去る
美吉野の曼陀羅埋めよ花の雲
肉声の鴉はやさし海の雪
芭蕉年譜尽きてわが齢ちちろ虫
花火高し遺族の折に鮭一片
藁垂らす雀を愛し鉄打てり
蛇呑んで原野〝俳諧自由〟なり
蜥蜴かなし尾の断面も縞をもつ
裂け目より石榴真二つ汝と分かたん
観音や土筆スミレと子沢山
象の皺一日だけの雪降れり
道標をいくばくか過ぎ蚯蚓死す
郭公や白頭明かり曳きゆけば
酒のまぬ生涯の谿夕ざくら
雪ちらつく天の八方鹿の角
雪沁むや戦火にもろき墓ばかり
雲秋意琴を売らんと横抱きに
鯉のぼり製材音は噴き散るよ
鯉裂いて取りだす遠い茜雲
 

中島斌雄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 02:48 UTC 版)

中島 斌雄(なかじま たけお 1908年10月4日 - 1988年3月4日)は、東京府東京市出身の俳人国文学者。本名は武雄。旧号月士。


  1. ^ 社会部 石井行夫. “東京の高校めぐり あの人もここに学んだ(芝高校7)”. 産経新聞. 


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