中世動物誌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 09:09 UTC 版)
中世に百科全書として用いられたセビーリャのイシドールス(7世紀)の『語源論』は20種以上の蛇を取り上げているが、ドラコーも蛇の一種として説明されている。それによると、ドラコーは酷熱の地であるエチオピアとインドの産で、蛇のなかでも最大であり、鶏冠(とさか)と小さな口がある。毒は有していないが、巨象をも絞め殺してしまう強力な尾を具えている。洞窟から出て空を飛び、空気を乱す。ドラゴンが大気を乱して嵐を引き起こすという考えはアウグスティヌスも述べており、中世には有翼のドラゴンが描かれるようになった。 イシドールスによるドラコーの記述は12世紀以降に盛んに作られた動物寓意集(ベスティアリ)の第2群のテクストでも踏襲されている。また、動物寓意譚集のテクストでは、イシドールスの記述には見られない「ドラゴンは悪魔のような存在である」という解釈が付加されており、その鶏冠は高慢の王たる悪魔の王冠を表していると述べられている。
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