不在仮定の実証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 01:47 UTC 版)
1964年に開業した東海道新幹線はその後の列車増発等酷使が祟って1974年頃運休や大幅な遅れが相次いだ。そこで国鉄は同年新幹線を総点検し、その結果を踏まえて1976~1982年まで計44回シーズンオフの水曜日に東海道新幹線の列車を午前中全て止めて若返り工事を行った。国の大動脈を半日止めると混乱が予想された為、国鉄は在来線列車や東名ハイウェイバス等を増発した。その時曽根悟は半日運休中に新幹線利用者はどうしたのか、航空利用者数や高速道路交通量、そして前後の日や週の利用者数など手を尽くして調査した。その結果大きな混乱は起こらず、他の交通機関や他の日にちの利用者数が大きく増加したわけでもなかった。つまり曽根は「旅行の手段として新幹線を利用する」ではなく「新幹線があるから旅行する」という新幹線がなければ膨大な需要が発生しないと結論づけたのである。 講談社ブルーバックス「新幹線50年の技術史」曽根悟著より
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