下位運動ニューロンの異常構造物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 06:47 UTC 版)
「筋萎縮性側索硬化症」の記事における「下位運動ニューロンの異常構造物」の解説
封入体 下位運動ニューロン(前角細胞)の残存ニューロンの封入体としてはブニナ小体とTDP-43陽性封入体が知られている。ブニナ小体は好酸性の微少な細胞質内封入体で筋萎縮性側索硬化症に特異的である。構成蛋白や由来は不明である。超微形態的には限界膜がなく、電子密度の高い顆粒が密に集簇した構造で、周辺には壊れた膜構造が付着している。内部にしばしば空隙を有し、神経細糸を含んでいることもまれでない。TDP-43陽性封入体には円形の球状硝子様封入体と線状のスケイン様封入体があり両者ともユビキチン化されている。円形封入体の内部は通常不規則な網目状を呈し、周辺は空砲で囲まれている。超微形態的には異常な太い繊維と神経細糸様の繊維との混交である。スケイン様封入体は太い線維の束であり、限界膜はない。これは、しばしば二重膜を有する小胞で囲まれており、ライソゾーム系で処理されることが推測される。スケイン様封入体は運動ニューロン疾患以外に、進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症、ピック病、老人脳などでも線条体で高頻度に認められる。 スフェロイド 下位運動ニューロン軸索近位部に神経細糸が貯留して類球形に腫大した構造であり、軸索流の障害を示唆している。早期に死亡した症例で多くみられる。
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