一国一前衛党論に係る日中共産党の関係の性格の変化について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 20:43 UTC 版)
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日本共産党は少なくとも1984年まで、一国一前衛党という考え方を主張していた。この考え方によれば、各国共産党は科学的社会主義に基づく究極的な社会改革を目指す運動の中心的な組織であり、日本共産党と中国共産党の関係には、政策あるいは路線的な意見対立は別にして、両国における、根本的な主義と目的を共有しているはずの唯一の組織間の関係であるという前提があったといえる。日本共産党は1970年代以降、マルクス・レーニン主義、プロレタリア独裁、前衛党などの概念について、用語や解釈の変更を行ってきた。このような背景を考えると、1966年の日中共産党の関係断絶では、前述の組織間路線の対立という意味合いがあったと言えるが、1998年に日中共産党の関係が修復された段階で、日中共産党の関係にそのような対立の継続があり、そのレベルでの関係修復があったと言えるのかどうかは不明である。 1984年に主張していた一国一前衛党論について、日本共産党が理論的に否定あるいは修正したことを明確に論じている同党発の文献は、現在(2021年5月)のところ見当たらない。しかし、議会制民主主義を積極的に肯定している現在(2021年)の綱領の記述と一国一前衛党という主張は、相容れない部分があるように見える。
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