ヴォータンの「遠大な構想」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 14:59 UTC 版)
「ワルキューレ (楽劇)」の記事における「ヴォータンの「遠大な構想」」の解説
『ラインの黄金』から『ヴァルキューレ』に至る間には、次のような経緯があり、第2幕第2場でヴォータンの長い語りによって明らかにされる。 世界を支配する力を持つ「ニーベルングの指環」がアルベリヒのもとに戻ることを恐れたヴォータンは、神々の意志から自由な人間にファーフナーから指環を奪わせるという構想を思いつく。この構想は、『ラインの黄金』の終わり、神々のヴァルハルへの入場において「剣の動機」が現れることで象徴される。 ヴォータンはまず、地下に降りてエルダのもとを訪ねる。ヴォータンとエルダの契りからブリュンヒルデが誕生する。ヴォータンは、ブリュンヒルデを含めた9人のヴァルキューレを育て、戦いに倒れた人間の勇士をヴァルハルに集めさせ、指環がアルベリヒに戻った場合に予想される闇の軍勢の襲来に備えた。 他方、地上では人間の女との間に双生児の兄妹をもうけた。ヴォータンは兄妹に対してはヴェルゼと名乗ったことから、兄妹はヴェルズングと呼ばれる(ヴェルゼは身内への名乗りで、世間に対してはヴォータンはヴォルフェと名乗っており、第1幕でジークムントがフンディングに名乗る場面では一族をヴォルフィングと呼んでいる)。ヴォータンの構想では、兄のジークムントこそは、神々の束縛・掟から自由な英雄となるべき存在であった。ヴォータンは、英雄の条件としての剣(ノートゥング)をジークムントに授ける手はずも整えていた。
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