ヴィクトル・コチュベイとは? わかりやすく解説

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ヴィクトル・コチュベイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/07 17:50 UTC 版)

ヴィクトル・コチュベイ

ヴィクトル・パヴロヴィチ・コチュベイロシア語:Виктор Павлович Кочубейヴィークタル・パーヴラヴィチュ・カチュビェーイラテン文字表記の例:Viktor Pavlovich Kochubey、1768年 - 1834年)は、帝政ロシア貴族政治家

人物・略歴

イヴァン・マゼーパとの対立で有名なウクライナの貴族であったヴァスィーリ・コチュベイは曽祖父に当たる。参事官としてロンドンパリの在外公館勤務を経て、在オスマン帝国公使となった [注釈 1]1798年に外交官養成大学の学長となり、翌年、伯爵位を叙爵されるが、皇帝パーヴェル1世によって追放される。1801年にパーヴェルが暗殺され、アレクサンドル1世が即位すると、治世当初、皇帝の「若き友人」の一人として改革を企図し皇帝の非公式な諮問機関である秘密委員会に参加した[注釈 2]。1801年から1802年まで外務大臣、1802年に内務大臣に転じ、コチュベイはミハイル・スペランスキーを重用して、一時自身の代理を務めさせた[3]。スペランスキーは1809年に「国家改造案」を提出するなど、皇帝の側近として大胆な改革を推し進めようとした[3]。コチュベイは1812年に一時、職を離れるが、1819年に再び内相となり、1825年まで務めた。1825年のアレクサンドル1世死去後、新皇帝ニコライ1世のもとで、1827年国家評議会議長[4]大臣委員会議長となり、1834年には公爵クニャージ)を与えられ、帝国宰相となった。

脚注

注釈

  1. ^ 1796年、18歳だったアレクサンドル皇太子(のちの皇帝アレクサンドル1世)はオスマン帝国駐在公使だった10歳年上のコチュベイに、平穏と平和とだけを愛する自分の性格からは皇帝の地位はあまりにもまばゆすぎるとして、皇太子の地位を放棄することを決心したという手紙を書き送っている[1]
  2. ^ 「若き友人」にはコチュベイのほか、パーヴェル・ストロガノフニコライ・ノヴォシリツェフアダム・イエジィ・チャルトリスキがおり、皇帝の改革政治を支えた。しかし、やがて皇帝は「若き友人」からしだいに距離を置くようになった[2]

出典

参考文献

  • 倉持俊一 著「第3章 アレクサンドル1世の時代」、田中陽児・倉持俊一・和田春樹(編) 編『世界歴史大系 ロシア史2 (18世紀―19世紀)』山川出版社、1994年10月。ISBN 4-06-207533-4 
  • 倉持俊一 著「第4章 デカプリストとニコライ1世の時代」、田中陽児・倉持俊一・和田春樹(編) 編『世界歴史大系 ロシア史2 (18世紀―19世紀)』山川出版社、1994年10月。 ISBN 4-06-207533-4 

関連項目

公職
先代
アレクサンドル・ベズボロドコ
ニコライ・ルミャンツェフ英語版
ロシア帝国宰相
1799年(臨時)
1834年
次代
ニキータ・ペトロヴィチ・パーニンロシア語版
カール・ロベルト・ネッセルローデ
先代
ニキータ・ペトロヴィチ・パーニンロシア語版
ロシア帝国外相
1801年 - 1802年
次代
アレクサンドル・ヴォロンツォフ
先代
空位
アレクサンドル・ゴリツィンロシア語版
ロシア帝国内相
1802年 - 1807年
1819年 - 1823年
次代
アレクセイ・クラキンロシア語版
バルタザール・カンペンハウゼンロシア語版




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