ロータリーエンジンポートタイミング
ロータリーエンジンにおいて、ローターによって吸排気孔を開閉するタイミング。レシプロエンジンの吸排気バルブタイミングに相当する。ロータリーエンジンの場合はバルブがなく、吸排気の開閉タイミングはローターの回転に伴って決定される。アペックスシールがローターハウジングに設けられたポートを通過することにより、開閉タイミングを決めるのがペリフェラルポート式。サイドシールがサイドハウジングに設けられたポートを通過することで開閉タイミングが決まるサイドポート方式とがある。オリジナルのバンケル式ロータリーエンジンは、給排気ともにペリフェラル方式であり、構造上オーバーラップ期間が大きくなり、燃焼残留ガスのフレッシュエアへの持ち込みが多く、燃焼効率の低下、低速トルク不足の傾向があった。これに対しマツダが吸気ポートをサイドハウジングに設けたことで、低回転の燃焼安定性、フレキシビリティが飛躍的に改善された。これがロータリーエンジンの実用化の鍵となったともいえる。マツダRX-8は、排気側もサイドポート方式を採用するなどして、吸排気オーバーラップを完全に排除し、さらなる燃焼改善、燃費向上をさせている。
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