レヴィ形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:14 UTC 版)
M {\displaystyle M} を超曲面型のCR多様体とする.レヴィ形式 h {\displaystyle h} は,直線束 V = T M ⊗ C L ⊕ L ¯ {\displaystyle V={\frac {TM\otimes {\mathbb {C} }}{L\oplus {\bar {L}}}}} に値を持つ L {\displaystyle L} 上で定義されたベクトル値形式(英語版)(vector valued form)で, h ( v , w ) := 1 2 i [ v , w ¯ ] mod L ⊕ L ¯ , v , w ∈ L {\displaystyle h(v,w):={\frac {1}{2i}}[v,{\bar {w}}]\mod L\oplus {\bar {L}},\quad v,w\in L} により与えられる. h {\displaystyle h} は,可積分条件により, v {\displaystyle v} と w {\displaystyle w} が L {\displaystyle L} の切断へどのように拡張するかには依存せず, L {\displaystyle L} 上の半双線型形式を定義する.この形式 h {\displaystyle h} は,同じ形で束 L ⊕ L ¯ {\displaystyle L\oplus {\bar {L}}} 上のエルミート形式へ拡張できる.この拡張された形式も,レヴィ形式と呼ばれることもある。 代わりに,レヴィ形式は双対性の言葉で特徴付けることもできる.V を消滅させる複素余接束の部分直線束を考えると, H 0 M = V ∗ = ( L ⊕ L ¯ ) ⊥ ⊂ T ∗ M ⊗ C {\displaystyle H_{0}M=V^{*}=(L\oplus {\bar {L}})^{\perp }\subset T^{*}M\otimes {\mathbb {C} }} となる.各々の切断 α∈Γ(H0 M ) に対し, h α ( v , w ) = d α ( v , w ¯ ) = − α ( [ v , w ¯ ] ) , v , w ∈ L ⊕ L ¯ . {\displaystyle h_{\alpha }(v,w)=d\alpha (v,{\bar {w}})=-\alpha ([v,{\bar {w}}]),\quad v,w\in L\oplus {\bar {L}}.} とする.形式 hα は α を伴う複素数値エルミート形式である. 多様体が超曲面型でない場合も,レヴィ形式の一般化が存在する.ただし,この場合,値は直線束でなく,ベクトル束となる.よって,レヴィ形式ではなく,構造のレヴィ形式の集まりという。 超曲面型の抽象的CR多様体について,レヴィ形式はその上に擬エルミート計量を与える.この計量は,正則接ベクトル上で定義されているだけでなく,退化している.
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