ラザフォード散乱とは? わかりやすく解説

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ラザフォード散乱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 15:53 UTC 版)

ラザフォード散乱(ラザフォードさんらん、: Rutherford scattering)とは、クーロン相互作用による荷電粒子間の弾性散乱を言う。1911年アーネスト・ラザフォードにより説明された物理現象であり[1]ボーア模型の先駆けとなったラザフォードの惑星型原子模型の発展につながった。現在では、ラザフォード後方散乱分光という元素組成分析手法に利用されている。ラザフォード散乱は、静電気力(クーロン力)のみに依存し、粒子間の最接近距離はクーロンポテンシャルのみにより決定されるため、初めはクーロン散乱と呼ばれた。古典的なアルファ粒子原子核によるラザフォード散乱においては、散乱された後の粒子の持つエネルギーと速度が散乱前と変わらないので、「弾性散乱」の例といえる。


注釈

  1. ^ この実験は「ラザフォードの実験」と呼ばれることもあるが、実際にはラザフォードは実験を行なっていない[6]
  2. ^ このサイズよりも「どれほど小さいのか」は、この実験のみからラザフォードは決めることはできなかった。
  3. ^ 金原子核の実際の半径は、原子核の半径を求める公式[7]に、金の最安定同位体の質量数 197 を代入すれば求められる。
  4. ^ したがってこの過程はラザフォード散乱が弾性衝突なのに対して非弾性衝突となる。

出典

  1. ^ Rutherford (1911)
  2. ^ Geiger (1908)
  3. ^ Geiger & Marsden (1909)
  4. ^ Geiger (1910)
  5. ^ Geiger & Marsden (1913)
  6. ^ 並木 (1998)
  7. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『核半径』 - コトバンク
  8. ^ Electron Scattering from Nuclei”. Hyperphysics. 2015年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月10日閲覧。






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