ラザフォード後方散乱分光とは? わかりやすく解説

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ラザフォード後方散乱分光

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 07:33 UTC 版)

メンテナンスのため開放されたシングルステージ2 MeV ヴァンデグラフ線形加速器

ラザフォード後方散乱分光(ラザフォードこうほうさんらんぶんこう、英語: Rutherford backscattering spectrometryRBS)とは、物質に高速のイオンを照射し、後方散乱したイオンのエネルギーと個数を測定することで元素分析をする表面分析手法。

原理

物質に高速イオンが入射すると、大半は電子との非弾性散乱によりエネルギーを失うが、ごく一部では原子核どうしのクーロン反発ラザフォード散乱)による弾性散乱が起こる。このとき多重散乱はほとんど起こらず、散乱確率はラザフォードの散乱公式で表される。

入射イオンとしては2MeV程度の軽いヘリウムイオン(アルファ線)が用いられる。

装置

イオン源から放出されたヘリウムイオン(アルファ線)は、イオン加速器でエネルギーやイオン電流量が調節される。その後イオンビームをコリメーターによって平行にする。 検出器には半導体検出器が用いられる。

特徴

  • 非破壊分析である。
  • 高真空を必要としない。
  • 軽元素の感度が低い。
  • 深さ方向の分析が可能。
  • 測定が短時間。
  • 原子核の散乱を扱うため、化学状態の影響を受けない。
  • 組成分析に標準試料が必要ない。



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