ヨウ化インジウム(III)とは? わかりやすく解説

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ヨウ化インジウム(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/19 00:52 UTC 版)

Indium(III) iodide
識別情報
CAS登録番号 13510-35-5 
PubChem 83539
ChemSpider 75371
UNII 3Y156GSM7E 
EC番号 236-839-6
特性
化学式 InI3
モル質量 495.53 g/mol
外観 黄色固体
密度 4.69 g/cm3
融点

210 °C, 483 K, 410 °F

沸点

500 °C, 773 K, 932 °F

関連する物質
その他の陰イオン 臭化インジウム(III)
塩化インジウム(III)
その他の陽イオン ヨウ化アルミニウム
ヨウ化ガリウム(III)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヨウ化インジウム(III)(Indium(III) iodide)は、インジウムヨウ素からなる化学式InI3の化合物である。

合成

インジウムとヨウ素蒸気の反応で得られる[1]

2 In + 3I
2
→ 2 InI
3

また、ヨウ化水素中でインジウム溶液を蒸発させることでも得られる[2]

性質

ヨウ化インジウム(III)は、淡黄色の非常に吸湿性のある単斜晶系固体(空間群 P21/c, a = 9.837 Å, b = 6.102 Å, c = 12.195 Å, β = 107.69°)で[3]、210℃で融解して濃茶色の水への溶解度が高い液体になる。結晶は二量体分子で構成される[4]。黄色のβ型はゆっくりと赤いα型に変わる[5]。水蒸気の存在下では、245℃で酸素と反応し、酸化ヨウ化インジウム(III)を形成する[6]

α型は、57℃でβ型に遷移する。α型の構造はX線結晶構造解析で決定されていないが、分光学的な証拠から、インジウムは六配位であることが示されている[7]。β型は、四配位のインジウムを中心としたIn2I6の構造を持つ。

出典

  1. ^ Handbuch der präparativen anorganischen Chemie. 1 (3., umgearb. Aufl ed.). Stuttgart: Enke. (1975). ISBN 978-3-432-02328-1 
  2. ^ E. Donges (1963). “Indium(III) Iodide”. In G. Brauer. Handbook of Preparative Inorganic Chemistry, 2nd Ed.. 1. NY, NY: Academic Press. pp. 861–2 
  3. ^ Forrester, J. D.; Zalkin, Allan; Templeton, David H. (Jan 1964). “Crystal and Molecular Structure of Indium(III) Iodide (In 2 I 6 )” (英語). Inorganic Chemistry 3 (1): 63–67. doi:10.1021/ic50011a013. ISSN 0020-1669. https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ic50011a013. 
  4. ^ Handbuch der präparativen anorganischen Chemie. 1 (3., umgearb. Aufl ed.). Stuttgart: Enke. (1975). ISBN 978-3-432-02328-1 
  5. ^ Downs, Anthony John (1993). Chemistry of aluminium, gallium, indium and thallium. London Glasgow New York [etc.]: Blackie. ISBN 978-0-7514-0103-5 
  6. ^ Hagen, A. P. (2009-09-17) (英語). Inorganic Reactions and Methods, The Formation of Bonds to Group VIB (O, S, Se, Te, Po) Elements (Part 1). John Wiley & Sons. ISBN 978-0-470-14540-1. https://books.google.com/books?id=pDfY5xkvxeYC&pg=PA301 
  7. ^ Taylor M. J., Kloo L. A. Journal of Raman Spectroscopy 31, 6, (2000), 465



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