リュウキュウチク
(ヤマダキ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/07 13:16 UTC 版)
リュウキュウチク | |||||||||||||||||||||||||||
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リュウキュウチク(2025年1月 沖縄県恩納村 沖縄県民の森)
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Pleioblastus linearis (Hack.) Nakai |
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
リュウキュウチク | |||||||||||||||||||||||||||
品種 | |||||||||||||||||||||||||||
フイリリュウキュウチク |

リュウキュウチク(琉球竹、学名:Pleioblastus linearis)[1]はイネ科メダケ属の常緑のササ。沖縄方言名ヤンバルダキ、ヤマダキ[2][3][4]。名称に竹が含まれるが、植物学上は稈に葉鞘(桿鞘、皮)が残る笹の仲間。
特徴
高さ2–7 m。地下茎で広がる。筍は春に出る。桿は径1–2 cmで節間は15–16 cm。葉はタケ・ササ類のなかでも細長く、長さ10–28 cm、幅1–2 cmの広線形~線状披針形。タイミンチクによく似るが、葉身はよじれず、葉鞘に粗い毛がある。葉鞘はやや紫色を帯びる。花は紫褐色でごく稀に開花する[5][6][3][7][8][9][4]。
分布と生育環境
鹿児島県薩摩半島・大隅半島~沖縄県与那国島(大東諸島を除く)[5][6][10][4][11]。山地の林や尾根、風衝地に群生[2][3][4]。山地では叢生することが多いが、海岸近くでは散生する[5]。樹林が発達しない風衝地などでは優先群落をつくることがあり、鹿児島県三島村竹島[12][13]と奄美大島宮古崎[8]に群生地があり[7]、沖縄島ではやんばるに多い[4]。
食用以外の利用
建築用、生垣、庭園用、編物、農業資材[2][5][6]。枝葉はかつて屋根葺きに利用され、70–80年保ち重宝された[5]。上述の竹島では葉が放牧牛の餌になっている[12][14]。
栽培には土壌は選ばないが、日当たりが良く排水良好な場所を好む。繁殖は株分けによる。移植は筍が出る前の2–3月が適期。強健な性質で病虫害も少ないが、他のササの仲間と同様に地下茎による繁殖力が旺盛で、落葉は腐植化しにくく地上を遮蔽し、他の植物の生育を阻害することがある[6][14]。
筍の食用利用
天野(1982)には食用についての記述は無いが、筍は食用になる[7][4]。アクが強いとされるが、島によっては柔らかくアクの少ない筍もあり、特産品や地元の名物となっている。
下位分類
葉に白条が入る品種フイリリュウキュウチク P. linearis f. albostriatus Muroi[24][25]が沖縄県名護市久志岳で見つかっている[5]。
脚注
- ^ “リュウキュウチク Pleioblastus linearis (Hack.) Nakai”. YList 植物和名-学名インデックス. ylist.info. 2025年2月16日閲覧。
- ^ a b c (池原 1979, p. 238)
- ^ a b c (新里 & 嵩原 2002, p. 54)
- ^ a b c d e f (林 & 名嘉 2023, p. 200)
- ^ a b c d e f (天野 1982, p. 189)
- ^ a b c d (海洋博記念公園管理財団 1997, p. 336)
- ^ a b c (大川 & 林 2016, p. 74)
- ^ a b (片野田 2019, p. 138)
- ^ (米倉 2021, p. 289)
- ^ (鈴木ほか 2022, p. 210)
- ^ “リュウキュウチク Pleioblastus linearis' (Hack.) Nakai”. www.kahaku.go.jp. 国立科学博物館. 2025年2月16日閲覧。
- ^ a b (小林 1997, p. 11)
- ^ “竹島について | 鹿児島県三島村”. 鹿児島県三島村 | (2019年10月18日). 2025年2月16日閲覧。
- ^ a b (寺田 1998, pp. 1–33)
- ^ 種子島そだち (2015年1月6日). “ニガダケ(リュウキュウチク)|種子島の特産品”. 種子島そだち. 2025年2月16日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “種子島 地元で親しまれる「ニガダケ」の収穫が始まる |NHK 鹿児島県のニュース”. NHK NEWS WEB. 2025年2月16日閲覧。
- ^ 種子島いのもと (2022年4月15日). “この時期の旬もの「二ガダケ」 | 種子島ホテル 【種子島いのもと 公式】”. 種子島いのもと. 2025年2月16日閲覧。
- ^ “三島村の「大名タケノコ」直売所できました! - 三島村・鬼界カルデラジオパーク”. 三島村・鬼界カルデラジオパーク - 三島村・鬼界カルデラジオパークは薩摩半島南に位置し、竹島・硫黄島・黒島の3 島が違う表情をみせる数少ない離島のジオパークです。過去10000年間で地球最大規模の噴火を起こした火山の痕跡がここにあります。 (2020年6月24日). 2025年2月16日閲覧。
- ^ “大名筍 » 鹿児島県三島村|GO!MISHIMA” (2014年3月30日). 2025年2月16日閲覧。
- ^ 三島焼酎プロジェクト (2019年8月3日). “三島村の名産品 大名竹の竹の子取りに行きました!【鹿児島・離島】 - みしま村焼酎プロジェクト【公式】”. mishima-shochu.jp. 2025年2月16日閲覧。
- ^ “林業 | 鹿児島県三島村”. 鹿児島県三島村 | (2022年5月6日). 2025年2月16日閲覧。
- ^ 西表島船浮|ふなうき荘・じゃじゃまるツアー (2023年8月26日). “リュウキュウチク”. 西表島船浮|ふなうき荘・じゃじゃまるツアー. 2025年2月16日閲覧。
- ^ “梅雨までの贈り物”. 西表島 ダイビング スノーケル カヌー トレッキング (2020年5月8日). 2025年2月16日閲覧。
- ^ “フイリリュウキュウチク P. linearis f. albostriatus Muroi”. YList 植物和名-学名インデックス. ylist.info. 2025年2月16日閲覧。
- ^ (杉本 1972, p. 66)
参考文献
- 杉本順一「フイリリュウキュウチク Pleioblastus linearis cv. Albostriatus」『新日本樹木総検索誌』井上書店、東京都文京区、1972年。
- 池原直樹「リュウキュウチク」『沖縄植物野外活用図鑑 第6巻 山地の植物』新星図書出版、1979年。
- 天野鉄夫「リュウキュウチク」『琉球列島有用樹木誌』琉球列島有用樹木誌刊行会、1982年。
- 小林幹夫 著「リュウキュウチク」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 11巻、朝日新聞社、東京、1997年、11頁。ISBN 9784023800106。
- 寺田仁志「鹿児島県竹島と硫黄島の植生と硫黄島の植物相」『鹿児島県立博物館研究報告』第17巻、鹿児島県立博物館、1–33頁、1998年 。
- 海洋博記念公園管理財団「リュウキュウチク」『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。 ISBN 9784902193732。
- 新里孝和; 嵩原建二「リュウキュウチク」『伊江島の植物図鑑』伊江村教育委員会、2002年。
- 大川智史; 林将之「リュウキュウチク」『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。 ISBN 9784829984024。
- 片野田逸郎「リュウキュウチク」『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。 ISBN 9784861244056。
- 米倉浩司 著「リュウキュウチク」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 1巻、平凡社、2021年、289頁。 ISBN 9784582535389。
- 鈴木英治; 丸野勝敏; 田金秀一郎; 寺田竜太; 久保紘史郎; 平城達哉; 大西亘リュウキュウチク「鹿児島県の維管束植物分布図集-全県版-」『鹿児島大学総合研究博物館研究報告』第17巻、鹿児島大学総合研究博物館、210頁、2022年。 ISSN 2188-9074 。
- 林将之; 名嘉初美「リュウキュウチク」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。 ISBN 9784899824350。
外部リンク
- リュウキュウチク 樹木園樹木名一覧 (国研)森林研究・整備機構 森林総合研究所 関西支所
- たけ リュウキュウチク おきなわ郷土村 おもろ植物園 海洋博公園
- リュウキュウチク(琉球竹) こまつなの部屋
- リュウキュウチク、ニガダケ ふるさと種子島
- リュウキュウチク 西表島植物図鑑
- リュウキュウチク<琉球竹> 日本の植物たち
ヤマダキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 22:39 UTC 版)
6年3組に転校してきたヤマダキ王国の跡継ぎ。ヤマザキにそっくりだが頭の三本とんがりの先が丸く、拓也いわく「こいつの方が(顔が)気持ち悪い」。ただしヤマザキと比べると少々気が弱い性格である模様。
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