モデナ・291とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > モデナ・291の意味・解説 

モデナ・291

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/04 04:38 UTC 版)

モデナ・291
カテゴリー F1
コンストラクター モデナ・チーム SpA
デザイナー マウロ・フォルギエリ
主要諸元[1]
シャシー カーボンファイバーモノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
トレッド 前:1,825 in (4,635.5 cm)
後:1,680 in (4,267.2 cm)
ホイールベース 2,915 in (7,404.1 cm)
エンジン ランボルギーニ L3512 3,493 cc (213.2 cu in) V12 (90°). NA
トランスミッション 6速
重量 510 kg (1,124.4 lb)
燃料 アジップ
オイル アジップ
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム モデナ・チーム SpA
ドライバー 34. ニコラ・ラリーニ
35. エリック・ヴァン・デ・ポール
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1991年アメリカグランプリ
出走 優勝 ポール Fラップ
16 0 0 0
テンプレートを表示

モデナ・291 (Modena 291) は、モデナ・チーム SpA1991年F1世界選手権に投入したフォーミュラ1カー。デザイナーはマウロ・フォルギエリ。ドライバーはニコラ・ラリーニエリック・ヴァン・デ・ポール

モデナ・291の他に、ランボ・291 (Lambo 291)、ランボルギーニ・291 (Lamborghini 291)、モデナ・ランボ・291 (Modena Lambo 291) とも呼ばれる。

開発

ランボルギーニは1989年からF1世界選手権にエンジンサプライヤーとしてエンジン供給を開始していた。その一つはラルースで、翌年にはラルースに加えて名門チーム・ロータスにも供給を拡大した。1991年になるとランボルギーニはF1用エンジンに加えてF1用シャシーもグラスチームに供給しF1へ参戦することを決定した。グラスはメキシコ人実業家のフェルナンド・ゴンザレス・ルナがメキシコ初のF1チームを目指し創設したチームであったが、ルナは投資を撤回し1990年7月に失踪[2]、チームは倒産の危機に瀕した。ランボルギーニはチームの本拠をイタリアのモデナに移動させ、参戦のための支援を行った。モデナはランボルギーニのファクトリーチームと考えられているが[3]、ランボルギーニはプロジェクトに障害が発生した場合、ブランドにマイナスのイメージを与えることを考え、「ランボルギーニ」と呼ばれることを望んでいなかった。実際にモデナはランボルギーニから初期の支援を受けた後、完全に独立したチームとなり、ランボルギーニから更なる支援や資金援助は受けなかった。

フォルギエリは291を1990年末まで開発した。初走行は1990年7月2日マウロ・バルディのドライブによってイモラ・サーキットで行われ[4]、翌週にはマルコ・アピチェラポール・リカール・サーキットでのマシンテストに加わった。291は三角形のサイドポッドにラジエーターを斜めに搭載し、独特のダークブルーのカラーリングで登場した[5]

特徴的なサイドポッドであったが[6]、フォルギエリに代わってチームに加入したナイジェル・コパースウェイトはサイドポッドの形状は性能に寄与しないとみて、291の1台を一般的な箱形のサイドポッドに改修した。しかしながら性能の向上は見られず、この型はレースに投入されることは無かった。

レース戦績

291はデビュー戦となったアメリカグランプリで最高の結果を記録した。ラリーニは17位で予選を通過し、決勝では優勝したアイルトン・セナマクラーレン・MP4/6から5周遅れの7位でフィニッシュした。第3戦のサンマリノではヴァン・デ・ポールがファイナルラップまで5位を走行し、燃料圧の問題で9位でフィニッシュとなった[5]

序盤戦での活躍からシーズン後半は予備予選を免除されたが、決勝進出はラリーニが5回、ヴァン・デ・ポールが1回と、成績は振るわなかった[5]

F1における全成績

(key) (太字ポールポジション

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
1991年 モデナ・チーム SpA ランボルギーニ L3512 V12 G USA
BRA
SMR
MON
CAN
MEX
FRA
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
POR
ESP
JPN
AUS
0 NC
ニコラ・ラリーニ 7 DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ Ret 16 DNQ 16 DNQ DNQ DNQ Ret
エリック・ヴァン・デ・ポール DNPQ DNPQ 9 DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ DNQ DNQ DNQ DNQ DNQ DNQ DNQ DNQ

参照

  1. ^ STATS F1 - Lamborghini 291”. Statsf1.com. 2014年4月11日閲覧。
  2. ^ どうなる? グラスのF1計画 - 山海堂GPX 1990年イギリスGP号 30頁中段
  3. ^ 『F1 TV HANDBOOK´91』フジテレビ出版 1991年7月4日発行 p.110。「事実上のランボルギーニ(クライスラー)・ワークスだ。」と紹介している。
  4. ^ Mini News グラスF1が初走行 - 山海堂GPX 1990年フランスGP号 31頁下段
  5. ^ a b c F1technical - Lambo 192”. www.f1technical.net. 2014年4月11日閲覧。
  6. ^ 『F1 TV HANDBOOK´91』フジテレビ出版 1991年7月4日発行 p.112。もっとも「設計思想は非常に古いもので、空力的にも決して良いとは言えない」と酷評している。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「モデナ・291」の関連用語

モデナ・291のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



モデナ・291のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのモデナ・291 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS