メルローとの区別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 13:59 UTC 版)
遺伝子調査によれば、カルメネールはメルローとは遠縁である可能性が高いが、形質の類似性のために何世紀にもわたってこの2つの品種は互いに関連していると考えられてきた。もっとも、似ているとはいえ、いくつか顕著な差異があり、ワイン学者は区別をつけることができた。若いうちのカルメネールの葉は下の方が赤みがかっており、対してメルローでは白っぽい。葉の形にも若干の差があり、メルローの方が葉の中心が長い。さらに、メルローの方がカルメネールよりも2~3週間早く熟す。そのため、もし両方の品種がブドウ畑に散在している場合、収穫時期がワインの出来を大きく左右する要素となる。カルメネールが完熟してから収穫すると、メルローは過熟してしまい、“ジャミー”なワインになる。メルローだけが熟した状態で収穫を行うと、カルメネールは主張の強すぎるピーマンのような香りになってしまう。 このように、メルローとカルメネールは差異があるにもかかわらず時として混同されてきたが、必ずしも同一の品種とは考えられていなかったのである。区別可能な違いがあるため、真に異なる品種だと同定される以前から、カルメネールは「メルロー・セレクション」や「メルロー・ペウマル(カルメネールが大量に栽培されていたサンティアゴ南部の谷に由来する)」と呼びわけられていた。
※この「メルローとの区別」の解説は、「カルメネール」の解説の一部です。
「メルローとの区別」を含む「カルメネール」の記事については、「カルメネール」の概要を参照ください。
- メルローとの区別のページへのリンク