ミュー粒子の異常磁気モーメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 07:55 UTC 版)
「異常磁気モーメント」の記事における「ミュー粒子の異常磁気モーメント」の解説
ミュー粒子の異常磁気モーメントの値は a μ exp = 0.001 165 920 89 ( 63 ) {\displaystyle a_{\mu }^{\text{exp}}=0.001\ 165\ 920\ 89(63)} である(2018 CODATA 推奨値)。 ミュー粒子の異常磁気モーメントは電子の場合と似た手法で計算されるが、弱い相互作用と強い相互作用の寄与が無視できないという点で電子の場合より複雑である。この計算結果と実験値を比較することで標準模型のワインバーグ=サラム理論の正確さの評価ができる。ミュー粒子の異常磁気モーメントの値の予言は3つの部分から構成される。 a μ SM = a μ QED + a μ EW + a μ had {\displaystyle a_{\mu }^{\text{SM}}=a_{\mu }^{\text{QED}}+a_{\mu }^{\text{EW}}+a_{\mu }^{\text{had}}} 最初の2つの項はそれぞれ光子とレプトンのループとWボソンとZボソンのループによる寄与であり、電子同様正確に計算することができる。3番目の項はハドロンのループによる寄与であり、理論単独からは正確に計算することができない。これは実験によるe+e-の衝突の断面積比 R {\displaystyle R} (ミュー粒子の断面積に対するハドロンの断面積の比)の測定によって推定することができる。2006年11月の時点では測定値は標準模型と標準偏差で3.4程度の不一致がある。
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