ミクロネシアの技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/04 16:25 UTC 版)
「ウェイファインディング」の記事における「ミクロネシアの技術」の解説
一つはミクロネシア連邦のカロリン諸島に存在する系統である。代表的な航法師としてマウ・ピアイルックが挙げられる(他にも優れた航法師は多数存在しているが、メディアへの登場という点でピアイルックは突出している)。この系統に特徴的な技術として、島影と天体の見え方の関係を利用する「エタク(etak)」、ある特定の航路上で必要となる知識の概要「ウォファヌ(wofanu)」を詠唱chantの形で記憶するなどの技法がある。後者はケネス・ブラウワーのエッセイ集『サタワル島へ 星の歌(A Song for Satawal)』で有名となり、英語ではしばしば「スター・ソング」と呼ばれるが、明確なメロディやハーモニーを備えた、西洋的な意味での歌唱singingというわけではない。 ピアイルックはカロリン諸島系の技術を応用して、ハワイ・タヒチ間やハワイ・グアム間などポリネシア海域での航海も成功させている他、ルイス・レッパンは沖縄島まで、ベルナルド・ガアヤンは小笠原父島までの航法を行うなど、ミクロネシア海域外での使用例も少なくない。 かつては数多くの流派が存在したとされているが、現在まで残るのはワリユング流とファルーク流の2系統である。前述のピアイルック他、ユルピイ、レパングラング、レパングナップ、ラプウィらの兄弟もワリユング流に属する。ワリユング流の発祥の地はチューク州のプンナップ島であるとされている。ワリユング流やファルーク流の航法術を一通り学び終えたと認定された航海者は、ポゥと呼ばれる儀式を済ませることで一人前と認められる。
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