マミジロミツドリとは? わかりやすく解説

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マミジロミツドリ

(マミジロミツドリ科 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 00:44 UTC 版)

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マミジロミツドリ
保全状況評価
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[1]
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: マミジロミツドリ科 Coerebidae
: マミジロミツドリ属 Coereba
: マミジロミツドリ C. flaveola
学名
Coereba flaveola (Linnaeus, 1758)
和名
マミジロミツドリ(眉白蜜鳥)
英名
Bananaquit

マミジロミツドリ学名Coereba flaveola)は、スズメ目マミジロミツドリ科の鳥類である。

かつてはアメリカムシクイ類かフウキンチョウ類の一種とされていたが、現在では多くの学者が1属1種のみの単型「マミジロミツドリ科」であると考えている[2]アメリカ鳥学会(AOU) は本種を所属不明としている[3]シブリー=アールキスト鳥類分類では、ヒワミツドリ属と同じくアトリ科ホオジロ亜科フウキンチョウ科に分類される。

分布

南アメリカの熱帯地域に留鳥として生息し、北限はメキシコ南部、西インド諸島である。フロリダ州でも稀に迷鳥として飛来する。

形態

マミジロミツドリは体長が約11センチメートルと非常に小さい鳥である。くちばしは細長く曲がっており、花のを吸うのに適している。舌もその食性に合ったふさ毛のある管状になっている[4]。花の側面から花弁を突き刺し、受粉させることなく蜜を吸うこともできる。なおマミジロミツドリはハチドリのように停飛(ホバリング)することは出来ないため、蜜を吸う間は枝などに止まらなくてはならない。また、果実昆虫なども食する。

約40の亜種が知られている。基亜種は背面は暗い灰色で、頭は黒だが白い眉斑がある。のどは白色で、腹は黄色である。雌雄ともほとんど差異はない。亜種のなかには、全身がほとんど黒いものなど、基亜種とは全く異なる色彩の亜種もある。

生態

砂糖を食べに来たマミジロミツドリ
Coereba flaveola

しばしば庭などにも飛来し、あまり人間に対する警戒心はないようである。マミジロミツドリをシンボルとしているアメリカ領ヴァージン諸島では、マミジロミツドリを誘き寄せる方法としてボウルや餌箱に顆粒状の砂糖を置いておくことが一般的であり、そのため "Sugar bird" とも呼ばれる。(ヒワミツドリ属も同様)

西インド諸島に生息するものは、営巣場所を狩りバチの近くにすることで、巣の捕食率を下げている[5]

亜種

40亜種が知られており[2]、これを9種にすべきという意見もある[2]。全身が黒い亜種もおり、亜種間で外見がかなり異なる場合もある。

  • C. f. alleni Lowe, 1912
  • C. f. aterrima (Lesson, 1830)
  • C. f. atrata (Lawrence, 1878)
  • C. f. bahamensis (Reichenbach, 1853)
  • C. f. bananivora (Gmelin, 1789)
  • C. f. barbadensis (Baird, 1873)
  • C. f. bartholemica (Sparrman, 1788)
  • C. f. bolivari Zimmer & Phelps, 1946
  • C. f. bonairensis Voous, 1955
  • C. f. caboti (Baird, 1873)
  • C. f. caucae Chapman, 1914
  • C. f. cerinoclunis Bangs, 1901
  • C. f. chloropyga (Cabanis, 1850)
  • C. f. columbiana (Cabanis, 1866)
  • C. f. dispar Zimmer, 1942
  • C. f. ferryi Cory, 1909
  • C. f. flaveola (Linnaeus, 1758)
  • C. f. frailensis Phelps & Phelps Jr, 1946
  • C. f. gorgonae Thayer & Bangs, 1905
  • C. f. guianensis (Cabanis, 1850)
  • C. f. intermedia (Salvadori & Festa, 1899)
  • C. f. laurae Lowe, 1908
  • C. f. lowii Cory, 1909
  • C. f. luteola (Cabanis, 1850)
  • C. f. magnirostris (Taczanowski, 1880)
  • C. f. melanornis Phelps & Phelps 1954
  • C. f. mexicana (Sclater, 1857)
  • C. f. minima (Bonaparte, 1854)
  • C. f. montana Lowe, 1912
  • C. f. nectarea Wetmore, 1929
  • C. f. newtoni (Baird, 1873)
  • C. f. oblita Griscom, 1923
  • C. f. obscura Cory, 1913
  • C. f. pacifica Lowe, 1912
  • C. f. portoricensis (Bryant, 1866)
  • C. f. roraimae Chapman, 1929
  • C. f. sharpei (Cory, 1886)
  • C. f. tricolor (Ridgway, 1884)
  • C. f. uropygialis Berlepsch, 1892

脚注

  1. ^ BirdLife International 2009. Coereba flaveola. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.1.
  2. ^ a b c 『世界鳥類大図鑑』、473頁。
  3. ^ Dunn, John L. and Alderfer, Jonathan, "National Geographic Field Guide to the Birds of North America, Fifth Edition" ISBN 0-7922-5314-0
  4. ^ フランク・B. ギル『鳥類学』、176頁。
  5. ^ フランク・B. ギル『鳥類学』、437頁。

参考文献

  • バードライフ・インターナショナル総監修、山岸哲日本語版総監修 『世界鳥類大図鑑』 ネコ・パブリッシング、2009年。
  • フランク・B.ギル著、山階鳥類研究所訳、山岸哲日本版監修『鳥類学』 新樹社、2009年。


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