マネーミュール
いわゆるマネーロンダリングの手口で、不正に得た金の出どころを特定しづらくするために経由される口座、および送金行為。ミュール(mule)は騾馬(らば)のことであり、つまり運び屋を意味する。
マネーミュールは、不正搾取の経緯に直接関与していない第三者の口座を経由することで、より摘発を逃れやすくする手法といえる。送金業務を引き受ければ送金額の何パーセントかを報酬として提供する、というように一般人にメール等で持ちかける手法が典型的とされる。悪意がなくても一般人が犯罪行為に加担する場合があるという。
また、2010年頃から存在が確認されている「SpyEye」と呼ばれる不正プログラム(の作成ツール)は、ユーザーの個人情報を盗む用途で多用されることが知られるが、そうして情報が奪われた金融機関の口座はマネーミュールとして利用されることも多いという。2013年10月現在、IPA(情報処理推進機構)やセキュリティ関連企業などが注意を呼びかけている。
マネー‐ミュール【money mule】
マネーミュール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/27 01:07 UTC 版)
マネーミュール(Money mule)とは、犯罪と知らずに不正資金の送金を代行し、資金洗浄に加担してしまう者、またはその手法のことである。ミュールとは英語でラバのことであり、マネーミュールは不正資金の運び屋という意味がある[1]。
マネーミュールは、求人サイトや電子メールなどで「海外送金のアルバイト」といった名目で勧誘される。その後、マネーミュールの口座に入金が行われ、マネーミュールは指示された業者を使って海外送金する。このとき、外資系資金移動業者が利用されるのは、銀行よりも手数料が安く、口座を開設しなくても海外に送金できるためである[2]。入金された金額から指示された送金額を差し引いたものがマネーミュールの収入になる。マネーミュールは自分の口座を使って海外送金を手伝っただけだが、入金された金は犯罪によって得られたものであり、知らず知らずのうちに資金洗浄に加担し、罪に問われることになる。募集や指示に使われたメールアドレスは架空の名義であったり、送金先は業者の送金システム上特定できないといった事情で、マネーミュールの背後にいる真犯人を特定することは容易ではない[1][3]。
マネーミュールの手法が用いられるようになったのは、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会の勧告などによって、犯罪組織が資金洗浄を行うことが難しくなったことが背景にある。このため、犯罪組織とは無関係の第三者に不正資金の送金を代行させる手口が生まれた[1]。
脚注
外部リンク
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