マックス・パーセルとは? わかりやすく解説

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マックス・パーセル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/26 22:50 UTC 版)

マックス・パーセル
Max Purcell
2021年全仏オープンのパーセル
基本情報
国籍 オーストラリア
出身地 シドニー
居住地 シドニー
生年月日 (1998-04-03) 1998年4月3日(27歳)
身長 185cm
体重 80kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2016年
ツアー通算 8勝
ダブルス 8勝
生涯獲得賞金 US$4,646,962
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 準優勝(2020・2022)
全仏 3回戦(2021・2024)
ウィンブルドン 優勝(2022)
全米 優勝(2024)
優勝回数 2(英1・米1)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全豪 ベスト8(2021)
ウィンブルドン 2回戦(2021)
全米 ベスト4(2021)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 40位(2023年10月16日)
ダブルス 8位(2024年9月9日)
2025年8月26日現在

マックス・パーセル(Max Purcell、1998年4月3日 - )は、オーストラリアの男子プロテニス選手。シドニー出身[1]

ダブルスで8勝を挙げている。自己最高ランキングはシングルス40位、ダブルス8位。身長185cm、体重80kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。2022年ウィンブルドン選手権男子ダブルス、2024年全米オープン男子ダブルス優勝。

来歴

2020年1月、ルーク・サヴィル英語版と組んで出場した全豪オープンダブルスで初めてグランドスラム決勝に進出。決勝ではラジーブ・ラムとジョー・ソールズベリーのペアに4–6, 2–6のストレートで敗れ、惜しくも準優勝となった[2]

2021年7月、大会直前に怪我で棄権を発表したアンディ・マリーに代わって東京オリンピックのシングルスに出場[3]。1回戦で世界ランキング15位のフェリックス・オジェ=アリアシムを6-4, 7-6(7-2)で破る番狂わせを演じた[4]。ダブルスもジョン・ピアースと組んで出場したが1回戦で敗れた。

2022年1月、マシュー・エブデンと組んで出場した全豪オープンダブルスで再び決勝進出し、同じくオーストラリアペアのタナシ・コッキナキスニック・キリオスに敗れてまたも準優勝に終わる[5]。しかし同年7月、今度はウィンブルドン選手権でもダブルス決勝に進出し、ニコラ・メクティッチとマテ・パビッチのクロアチアぺアを7–6(7–5), 6–7(3–7), 4–6, 6–4, 7–6(10–2)のフルセットで制して勝利、グランドスラム初優勝を果たした[6]

2023年、パーセルは昨年のダブルスでの快進撃にもかかわらずシングルスに力を入れる方針でツアーを回った[7]。ランキング220位でシーズン開幕を迎えたパーセルは、年前半のチャレンジャー大会で6回決勝進出するなどランキングポイントを積み重ね、5月の全仏オープンではグランドスラムのシングルスで本戦初勝利を飾った[8][9]

同年8月にはシンシナティ・オープンで予選を勝ち上がり、本戦で第5シードの世界ランキング7位・キャスパー・ルードから対トップ10初勝利を挙げてベスト8に進出[10]。これら好成績の結果10月には自己最高のシングルス40位に到達した[11]

2024年6月、ネイチャー・バレー国際でATP 250以上のツアー大会において初めてシングルス決勝に進出したが、テイラー・フリッツに4–6, 3–6で敗れて準優勝に終わった[12]。同年7月、ジョーダン・トンプソンと組んで出場したウィンブルドン選手権ダブルスでは準優勝を飾り[13]、8月の全米オープンでは同じパートナーと組んでケビン・クラビーツとティム・プッツのペアを破り2回目のグランドスラム優勝を果たした[14]

ドーピング規則違反

2023年12月、パーセルは500mlのビタミン点滴を2度受けたことによってアンチ・ドーピング規則に違反[15]。規則では12時間以内に100mlが上限であり、パーセルは後に「100ml以下でなければならないとクリニックに伝えていたが知らないうち上限を超えていた」と述べた[16]

2024年12月、国際テニス・インテグリティ・エージェンシー(ITIA)がドーピング違反について公表、パーセルは暫定的な出場停止を受け入れた[17][18]。これにより翌年1月からの全豪オープンを含む大会への出場が不可能となった。

2025年4月、ITIAは18か月間の出場停止を決定[15]。調査への全面協力が評価されて本来の制裁期間より25%が軽減された[15]。出場停止期間の終了は、それまでの暫定出場停止期間も含めた計算で2026年6月11日となった[15]。また、最初に規則に違反した2023年12月16日から次の検査日である2024年2月3日までの期間に獲得した賞金(20万ドル以上)と成績は没収された[16]

主要大会決勝

出典はATPツアー公式サイト[1]

グランドスラム決勝

ダブルス: 5 (2勝3敗)

結果 大会 サーフェス パートナー 相手 スコア
準優勝 2020 全豪オープン ハード ルーク・サヴィル ラジーブ・ラム
ジョー・ソールズベリー
4–6, 2–6
準優勝 2022 全豪オープン ハード マシュー・エブデン タナシ・コッキナキス
ニック・キリオス
5–7, 4–6
優勝 2022 ウィンブルドン マシュー・エブデン ニコラ・メクティッチ
マテ・パビッチ
7–6(7–5), 6–7(3–7), 4–6, 6–4, 7–6(10–2)
準優勝 2024 ウィンブルドン ジョーダン・トンプソン ハリ・ヘリオヴァーラ
ヘンリー・パッテン
7–6(9–7), 6–7(8–10), 6–7(9–11)
優勝 2024 全米オープン ハード ジョーダン・トンプソン ケビン・クラビーツ
ティム・プッツ
6–4, 7–6(7–4)

ATPツアー決勝進出結果

出典はATPツアー公式サイト[1]

シングルス: 1回 (1敗)

結果 No. 年月 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1 2024年6月 イーストボーン テイラー・フリッツ 4–6, 3–6

ダブルス: 15回 (8勝7敗)

大会グレード
グランドスラム (2-3)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPツアー500 (1–0)
ATPツアー250 (5–4)
サーフェス別タイトル
ハード (4–4)
クレー (3–0)
芝 (1–3)
結果 No. 年月 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2020年2月 全豪オープン ハード ルーク・サヴィル ラジーブ・ラム
ジョー・ソールズベリー
4–6, 2–6
準優勝 2. 2020年11月 アスタナ ハード
(室内)
ルーク・サヴィル サンダー ・ジレ
ヨラン・フリーゲン
5–7, 3–6
準優勝 3. 2022年1月 全豪オープン ハード マシュー・エブデン タナシ・コッキナキス
ニック・キリオス
5–7, 4–6
優勝 1. 2022年4月 ヒューストン クレー マシュー・エブデン イヴァン・サバノフ
マテイ・サバノフ
6–3, 6–3
準優勝 4. 2022年6月 スヘルトーヘンボス マシュー・エブデン ウェスリー・クールホフ
ニール・スクプスキ
6–4, 5–7, [6–10]
優勝 2. 2022年7月 ウィンブルドン マシュー・エブデン ニコラ・メクティッチ
マテ・パビッチ
7–6(7–5), 6–7(3–7), 4–6, 6–4, 7–6(10–2)
優勝 3. 2023年4月 ヒューストン クレー ジョーダン・トンプソン ジュリアン・キャッシュ
ヘンリー・パッテン
4–6, 6–4, [10–5]
準優勝 5. 2023年7月 ニューポート ウィリアム・ブランバーグ ナサニエル・ラモンズ
ジャクソン・ウィズロー
3–6, 7–5, [5–10]
準優勝 6. 2023年7月 アトランタ ハード ジョーダン・トンプソン ナサニエル・ラモンズ
ジャクソン・ウィズロー
6–7(3–7), 6–7(4–7)
優勝 4. 2023年10月 東京 ハード リンキー・ヒジカタ ジェイミー・マリー
マイケル・ヴィーナス
6–4, 6–1
優勝 5. 2024年2月 ダラス ハード
(室内)
ジョーダン・トンプソン ウィリアム・ブランバーグ
リンキー・ヒジカタ
6–4, 2–6, [10–8]
優勝 6. 2024年2月 ロス・カボス ハード ジョーダン・トンプソン ゴンサロ・エスコバル
アレクサンドル・ネゾベソフ
7–5, 7–6(7–2)
優勝 7. 2024年4月 ヒューストン クレー ジョーダン・トンプソン ウィリアム・ブランバーグ
ジョン・ピアース
7–5, 6–1
準優勝 7. 2024年7月 ウィンブルドン ジョーダン・トンプソン ハリ・ヘリオヴァーラ
ヘンリー・パッテン
7–6(9–7), 6–7(8–10), 6–7(9–11)
優勝 8. 2024年9月 全米オープン ハード ジョーダン・トンプソン ケビン・クラビーツ
ティム・プッツ
6–4, 7–6(7–4)

脚注

  1. ^ a b c Max Purcell - Overview”. ATP Tour. 2025年8月26日閲覧。
  2. ^ Reem Abulleil (2020年2月2日). “Ram, Salisbury dash home hopes in men's doubles final”. Australian Open. 2025年8月27日閲覧。
  3. ^ Tokyo Olympics: Andy Murray withdraws from men's singles with minor thigh strain”. BBC (2021年7月25日). 2025年8月27日閲覧。
  4. ^ Purcell grasps golden opportunity against Auger-Aliassime”. International Tennis Federation (2021年7月25日). 2025年8月27日閲覧。
  5. ^ Alex Sharp (2022年1月30日). “Men's doubles: Kokkinakis, Kyrgios finish wild ride with title”. Australian Open. 2025年8月27日閲覧。
  6. ^ Wimbledon: Matthew Ebden and Max Purcell win men's doubles title”. BBC (2022年7月9日). 2025年8月27日閲覧。
  7. ^ Max Purcell: "I'm young and want to be playing singles"”. Tennis Australia (2023年1月13日). 2025年8月27日閲覧。
  8. ^ Purcell powers to victory in all-Aussie battle at Roland Garros”. Tennis Australia (2023年5月30日). 2025年8月27日閲覧。
  9. ^ Max Purcell - Player Activity”. 2025年8月27日閲覧。
  10. ^ Purcell scores career-first top-10 win at Cincinnati”. Tennis Australia (2023年8月16日). 2025年8月27日閲覧。
  11. ^ Max Purcell - Ranking History”. ATP Tour. 2025年8月27日閲覧。
  12. ^ Titletown Taylor: Fritz captures third Eastbourne crown”. ATP Tour (2024年6月29日). 2025年8月27日閲覧。
  13. ^ Thompson, Purcell edged out in dramatic doubles final at Wimbledon 2024”. Tennis Australia (2024年7月14日). 2025年8月27日閲覧。
  14. ^ Adesina O. Koiki (2024年9月7日). “Purcell/Thompson win 2024 US Open men's doubles title over Krawietz/Puetz”. US Open. 2025年8月27日閲覧。
  15. ^ a b c d Max Purcell accepts 18-month Tennis Anti-Doping Programme suspension”. ITIA (2025年4月29日). 2025年8月27日閲覧。
  16. ^ a b 'Very unfair': The $3m cost of Aussie slam champ's 18-month doping ban”. Fox Sports (2025年4月29日). 2025年8月27日閲覧。
  17. ^ Australian tennis player elects to enter voluntary provisional suspension”. ITIA (2024年12月23日). 2025年8月27日閲覧。
  18. ^ Max Purcell takes provisional suspension for anti-doping breach”. ESPN (2024年12月23日). 2025年8月27日閲覧。

外部リンク




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