マコーリー評
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 03:43 UTC 版)
「トーマス・マコーリー」の記事における「マコーリー評」の解説
よくも悪くもホイッグ史観の代表的人物がマコーリーである。歴史家は物語を書かねばならぬという伝統のあるイギリスにおいて、マコーリーは不朽の名声をもっている。『古代ローマ詩歌集』の有名なくだりを知っているイギリス人は今でも多いし、彼の文章表現をたたえる声も少なくない。マコーリーは歴史研究の方法を誰かから学んだという形跡も見当たらず、「彼は真実をこのようにフィクションによって書いた。はるかに楽しく読まれるために」とケンブリッジ大学の記念碑にあるような姿勢で執筆を行っていた。マコーリーの精髄は正確さよりも、読ませる技術、文章の鮮やかさにあった。文筆家としてのマコーリーの評判はいまでも健在であるが、歴史家としては見事な表現力を賞賛されつつも、手厳しい批判にさらされた。しかしそれでも打ち消せないほどにマコーリーの影響力は絶大であり、以降100年近くにわたってホイッグ史観はイギリス史のなかで正統の地位を維持した。
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