ポウルセン・カン・システムとは? わかりやすく解説

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ポウルセン・カン・システム

(ポウルセンカン戦法 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/12/02 00:15 UTC 版)

ポウルセン・カン・システム
a b c d e f g h
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1
a b c d e f g h

ポウルセン・カン・システム (Paulsen Kan System) は、チェスオープニングの1つで、 シシリアン・ディフェンスの変化の1つである。右図がポウルセン・カン・システムの基本形で、基本形までの手順は1. e4 c5 2. Nf3 e6 3. d4 cd 4. Nxd4 a6である[1]。ポウルセンが発表したオープニングをカンが研究したため「ポウルセン・カン・システム」と名付けられた[2]。単に「ポウルセン・ヴァリエーション (Paulsen Variation) 」或いは「カン・ヴァリエーション (Kan Variation) 」と呼ばれることもある[3]

主な変化

5. Nc3 Qc7 6. Be2 Nc6 7. Be3 Nf6 8. 0-0 Bb4 9. Na4! 0-0 10. Nxc6 bc[4]

白の5手目では他に5. Bd3と指す手がある[2]。以下5. … Bc5 6. Nb3 Ba7 7. 0-0 Nc6 8. Qe2と進行し次に9. Be3とビショップを交換しに行くのが白の狙いである[2]。この手順中8. Qg4と指すのは8. … Nf6! 9. Qg3! d6 10. Nc3 b5 11. Kh1 Bb7と進行し形勢互角[2]。なお5. Bd3に対して5. … Nc6と指すのは6. Nxc6 bc 7. 0-0 d5 8. c4 Nf6 9. cd cd 10. ed ed 11. Nc3 Be7 12. Qa4+と進行し白が指しやすい[2]

白の5手目で5. c4と指すと5. … Nf6 6. Nc3 Bb4 7. e5 Ne4! 8. Qg4 Nxc3 9. a3 Bf8! 10. bc d6と進行し黒が十分に指せる展開になる[2]

黒の5手目では他に5. … b5、5. … Nc6、5. … Ne7と指す手があり[2]、5. … b5と指すと6. Bd3 Bb7と進行する[2]

白の6手目では他に6. Bd3、6. Be3、6. g3と指す手がある[5]。6. Bd3は1964年に対局されたスパスキー対ミリチ戦で白のスパスキーが指した手で[5]、以下6. … Nc6 7. Nb3 Nf6 8. f4 d6 9. 0-0 Be7 10. Qf3 Bd7 11. Be3 0-0と進行した後スパスキーが12. g4!と指し白のキング側からの猛攻が始まった[5]

黒の6手目では6. … Nf6と指す手もある[5]。以下7. 0-0 Bb4と進行する[5]

黒の9手目で9. … Nxe4?と指すと10. Nxc6 Qxc6 11. Nb6 Rb8 12. Qd4 Bf8 13. Bf3 d5 14. c4で白が優勢な局面となる[5]

参考文献

脚注・出典

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  1. ^ 『定跡と戦い方』、100、109-110頁。
  2. ^ a b c d e f g h 『定跡と戦い方』、110頁。
  3. ^ 英語版ウィキペディアのシシリアン・ディフェンスの項目2011年11月27日17:54 (UTC) の版より。
  4. ^ 『定跡と戦い方』、110-111頁。
  5. ^ a b c d e f 『定跡と戦い方』、111頁。
  6. ^ ISBNコードは新装版のもの。



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