ヘーラクレースの誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 16:32 UTC 版)
「アムピトリュオーン」の記事における「ヘーラクレースの誕生」の解説
ところでゼウスはアルクメーネーに自分の子を産ませ、次のミュケーナイ王にしようと考えていた。そこでゼウスはアムピトリュオーンがタポスと戦っている間、あるいはテーバイに帰国する前夜、アムピトリュオーンの姿に変身にしてアルクメーネーのもとを訪れ、夜の長さを3倍の長さにして、あるいは2倍にして、アルクメーネーと過ごした。翌日、アムピトリュオーンが帰国すると、アルクメーネーは特に喜ぶこともなく、また戦争の話にも興味を示さなかった。アムピトリュオーンが不思議に思ってわけを聞くと、アルクメーネーは昨晩アムピトリュオーンがやって来てずっと一緒に過ごしてくれたし、また戦争の話も話してくれたと言った。アムピトリュオーンはわけがわからなかったが、預言者テイレシアースからゼウスがやって来てアルクメーネーを1夜限りの妻としたことを聞かされた。あるいはアルクメーネーの話を聞いて何れかの神がやって来たことを悟り、以降アルクメーネーと寝ることをやめた。しかし一説によると怒ってアルクメーネーを殺そうとしたが、結局は許したという伝承もある。 こうしてアルクメーネーはゼウスとアムピトリュオーンの子を身ごもり、ヘーラーの妨害によって長く産褥に苦しんだ末に、父親の異なる双子ヘーラクレースとイーピクレースを産んだ。2人が生まれるとヘーラーはヘーラクレースを殺そうとして2匹の蛇を赤子たちの寝床に送った。それを見たアルクメーネーは大声でアムピトリュオーンを呼び、侍女たちは驚いて叫び声を上げた。アムピトリュオーンは使者から赤子たちが蛇に殺されたと聞かされ、剣を片手に部屋に入ったが、幼いヘーラクレースが蛇を退治したさまを見て安堵したという。 しかしレーロスのペレキューデースによるとアムピトリュオーンはどちらが自分の子供か知りたいと思い、寝床に蛇を投げ込んだという。するとヘーラクレースは蛇に立ち向かったが、イーピクレースは逃げたので、イーピクレースが自分の子供だと知ったという。
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