ヘリカル・アンテナとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 情報 > 通信技術 > アンテナ > ヘリカル・アンテナの意味・解説 

ヘリカルアンテナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/11 23:46 UTC 版)

衛星自動追尾アンテナとして利用されている軸モード・ヘリカルアンテナ。(フランスコート=ダルモール県プルームール=ボドゥー英語版にて)

ヘリカルアンテナは、無線通信アンテナの一種である。短波から極超短波の周波数において用いられる。エンドファイヤ型サイドファイヤ型ノーマルモード型がある。

エンドファイヤ型は、アースとして導体円板を用いた1/4波長ブラウン・アンテナの垂直エレメントを、らせん型の1波長のエレメントに置き換えた構造である。らせんの軸方向に強い放射を持つ。らせんの巻き数は3回以上、ピッチ(傾斜)角は12〜15度とする。放射される電波は円偏波である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い。導体板の上に複数のらせん型エレメントを設けたものもある。

サイドファイヤ型は、垂直に設置した導体円管の中央に、表面を絶縁被覆した長さが2波長または3波長の導線を接続し、上下対称にらせん型に巻きつけ、さらに導線の上端と下端を導体円管に接続した構造である。上下のらせんは逆方向に巻かれているので、垂直偏波成分は打ち消し合い、水平偏波成分だけが残る。水平面内は無指向性である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い(中心周波数の10%程度と言われている)。

ノーマルモード型は、単にモノポールアンテナ英語版のエレメントを、らせん状に巻いて小型化したものである。モノポール・アンテナと同様の偏波、指向性となる。ハンディー型(手で持って使う)トランシーバー携帯電話のアンテナに使われている。短い全長の割に利得低下は少なく、表面をラバーなどで覆って柔軟性を持たせることができる(弾性限界を超えない限り、引っ掛けたりぶつけたりしても折れない)ため、使用に便利である。

利用例

アナログ放送時代の平面型BSアンテナにはヘリカルアンテナを多数スタックした構造がしばしば用いられた(なお、このようなアンテナはデジタル放送では性能が不足するなどの理由で現在は製造されていない。)

関連項目


ヘリカルアンテナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/03 22:35 UTC 版)

中野久松」の記事における「ヘリカルアンテナ」の解説

減衰電流領域のみからなるヘリカル素子パラボラ鏡と組み合わせた放送衛星受信パラボラアンテナ」を実現ヘリカル素子複数配列した平面アンテナ実現にも貢献。これらは、天文学用の「VERAアンテナ」、日本JAXA欧州ESA共同プロジェクト水星探査衛星搭載アンテナ」に採択

※この「ヘリカルアンテナ」の解説は、「中野久松」の解説の一部です。
「ヘリカルアンテナ」を含む「中野久松」の記事については、「中野久松」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ヘリカル・アンテナ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



ヘリカル・アンテナと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヘリカル・アンテナ」の関連用語

ヘリカル・アンテナのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヘリカル・アンテナのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヘリカルアンテナ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの中野久松 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS