プッツン
ぷっつん
プッツン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/24 05:34 UTC 版)
プッツンは切れる時の擬音語「ぷつん」の強調語であり[1]、転じて「普通ではない」「頭がおかしい」などを意味する流行語であった[2][3]。
また流行期には「友情プッツン」、「対話プッツン」などのように派生され使われるようにもなっていた[2]ほか、「彼女プッツン」のようにプッツンが「堪忍袋の緒が切れる」「キレる」と同意義につかわれるようにもなっていた[4]。また堪忍袋の緒が切れて退職する「プッツン退職」という言葉も登場した[4][5]。
1980年代にはお笑いなどのテレビ番組に由来する「パッパラパー」のような言葉や会話が数多く流行しており[6][7]、この「プッツン」もその中の一つとされる[6]。
歴史
プッツンという言葉は1986年にテレビでお笑いタレントの片岡鶴太郎が使用することで流行したとされる[2][8]。同年には日本テレビより同氏の冠番組として『鶴ちゃんのプッツン5』も登場していた[2]。同1986年にはプッツンが流行語大賞の大衆賞に入賞した[4]
またロックバンドの『BEE PUBLIC』のメンバー「丸山正剛」は「プッツン丸山」を名乗り、文化放送のラジオ番組『ミュージックステーション』で「プッツン丸山の教育講座」のコーナーを展開していた[9]。
翌1987年にはテレビにおけるテレビ業界物のブームの中で、フジテレビのテレビドラマよりプッツンを含むタイトルの『アナウンサーぷっつん物語』が登場した[10][11]。
しかしながらその後、テレビにおいてテレビ業界人のプッツンが一般化していくことで、プッツンは目新しくなくなっていったとも言われている[11]。
プッツン女優
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プッツン女優はプッツンのような言動を行う女優のことである[8][4]。プッツン女優と呼ばれた女優には「石原真理子」、「藤谷美和子」が居る[8][4][12]。
その他の使用例
1993年の小説家「筒井康隆」の断筆宣言においても「あたしゃ、キれました。プッツンします」としてプッツンが使われた[13]。
批評
コラムニストの山崎浩一は少女語における「プッツン」を「ウッソ〜」、「カッワイ〜」、「オッシャレ〜」、「アッブナ〜イ」に続く第5のコンセプトに位置付けた[14]。
関連項目
出典
- ^ ぷっつん(プッツン)とは? 意味や使い方 コトバンク
- ^ a b c d 中江克己『キーワードで時代を読む (グリーンアロー・ブックス) 』 pp.208-209 グリーンアロー出版社 1987年6月 [1]
- ^ 朝日新聞社 編『新聞のことば事典 1988』 p.41 朝日ソノラマ 1987年11月 [2]
- ^ a b c d e 死語研究会『死語大辞典』彩図社、2008年12月24日、p.128-129 ISBN 978-4883926626
- ^ 『1988年版 現代用語の基礎知識』 自由国民社 1988年
- ^ a b 新人類研究会 編『新人類読本 : 時代の旗手か落ちこぼれか』 p.91 日本能率協会 1986年12月 [3]
- ^ 鹿児島女子高等学校経済調査部 編『研究論文集』 p.49 鹿児島女子高等学校経済調査部 1984年7月 [4]
- ^ a b c 世相風俗観察会 編『現代風俗データベース 1986~1987』内「プッツンとプッツン女優」 p.41 河出書房新社 1990年4月 [5]
- ^ 『DJ名鑑 1987』 p.131 三才ブックス 1987年 [6]
- ^ 稲増竜夫, 清水敬一スーパープロジェクト『ヤングマーケットウォッチング : 「情報マニュアル世代」の消費行動を読む』 p.80 PHP研究所 1987年7月 [7]
- ^ a b 『週刊文春 44巻1-4号』 文藝春秋 2002年1月
- ^ 現代言語セミナー 編『昭和流行語グラフィティ : 昭和元年から平成元年まで (ミューブックス) 』 p.214 毎日新聞社 1991年10月 [8]
- ^ 「筒井康隆氏の断筆宣言考」『政経人 40(10)』 政経社/総合エネルギー研究会 1993年10月 [9]
- ^ 山崎浩一『なぜなにキーワード図鑑 (新潮文庫) 』 pp.93-96 新潮社 1987年2月 [10]
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