ブラックホールの存在可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 06:31 UTC 版)
「HR 6819」の記事における「ブラックホールの存在可能性」の解説
2020年5月、この連星系にブラックホールが存在するというヨーロッパ南天天文台 (ESO) の研究結果が発表された。このブラックホールが実在すれば、既知のブラックホールで最も太陽系に近いとされていたいっかくじゅう座X-1(約3,500光年)よりもさらに太陽系に近く、また肉眼で観ることができる、すなわち視等級が6等より明るい恒星系で発見された初めてのブラックホールとなるため、話題となった。 この連星系は、B型巨星とブラックホールの連星の周囲を、古典的Be星が一定でない周期で公転するという、階層的な三重連星を成していると考えられた。中心の連星系は40日の周期で互いの共通重心を周っており、主星の質量は太陽の6.3倍、ブラックホールの質量は5.0倍と推定された。この連星系からは強いX線が観測されていないため、ブラックホールと主星との相互作用はほとんどなく、既知のブラックホールのような降着円盤が存在しないと考えられた。 しかしこの説に対しては、Be星と白色矮星の連星系、またはB型巨星とBe星の連星系など、ブラックホールの存在を仮定しなくても説明できるとする反論も出された。
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