ブエルタ・ア・エスパーニャ2007
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 09:15 UTC 版)
ブエルタ・ア・エスパーニャ2007(スペイン語: Vuelta a España 2007)は、2007年9月1日から9月23日まで行われた第62回ブエルタ・ア・エスパーニャ。2007年のグランツール最終戦。
コース設定
ガリシア州ポンテベドラ県のビーゴで開幕し、スペイン全土を時計回りでほぼ一周し、最終日に首都マドリードに向かうステージで閉幕する。前半のステージに山岳ステージが集中するレイアウト。チームタイムトライアルは設けられず、2度の個人タイムトライアルを挟む。
参加チームとみどころ
参加チームは2007年のUCIプロツアー参加チーム(アスタナとユニベットを除く18チーム[1])に、主催者推薦枠で出場するプロフェッショナルコンチネンタルチームの3チーム(アンダルシア、カルピン・ガリシア、リラックス・ガム)を加えた21チームであった。
前年度のトップ3であるアレクサンドル・ヴィノクロフ、アレハンドロ・バルベルデ、アンドレイ・カシェチキンがドーピング疑惑やチーム事情などから出場せず、本命不在の大混戦が予想された。
今大会の概要
第4ステージを制したウラジミール・エフィムキンが総合トップに立ち、1分6秒差でデニス・メンショフが続く。総合1、2位のロシア勢の間に割って入ったのが第8ステージの個人TTで3位に入ったベルギーのステイン・デヴォルデル。ここで総合トップの座を奪い、2位に30秒差でメンショフ。この区間18位に終わったエフィムキンは1分28秒差の3位に後退。
第9ステージ。区間優勝のレオナルド・ピエポリと同タイムゴールを果たしたメンショフに対し、デヴォルデールはメンショフらに遅れること4分58秒差の区間42位と大敗。ここでメンショフが総合トップに立ち、2分1秒差でエフィムキンが2位。2分27秒差の3位にカデル・エヴァンス、3分2秒差の4位にカルロス・サストレが続く展開となった。
上記の通り、今大会は前半戦に集中して山岳コースが設定されたこともあってか、このあと第17ステージまでは上位陣にほとんど変化がない様相。以後は2位以下に順位の変動はあったものの、メンショフはこのあとも安定した走りを見せて2年ぶり2度目の総合優勝[2]。総合2位にはサストレ、同3位にはサムエル・サンチェスが入った。
ちなみにメンショフは山岳賞、コンビネーション賞も獲得。総合優勝と山岳賞のダブル制覇は1995年のローラン・ジャラベール以来のことである。
区間優勝者と総合1位選手
| 区間 | 曜日 | スタート – ゴール | km | 区間優勝者 | 総合首位選手 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 9/1 | ビーゴ - ビーゴ | 145 | ダニエーレ・ベンナーティ | ダニエーレ・ベンナーティ |
| 2 | 9/2 | アジャリス – サンティアゴ・デ・コンポステーラ | 150 | オスカル・フレイレ | オスカル・フレイレ |
| 3 | 9/3 | ビベイロ – ルアルカ | 155 | パオロ・ベッティーニ | オスカル・フレイレ |
| 4 | 9/4 | ラングレーオ – ラゴス・デ・コバドンガ | 182 | ウラジミール・エフィムキン | ウラジミール・エフィムキン |
| 5 | 9/5 | カンガス・デ・オニス – レイノーサ | 155 | オスカル・フレイレ | ウラジミール・エフィムキン |
| 6 | 9/6 | レイノーサ – ログローニョ | 195 | オスカル・フレイレ | ウラジミール・エフィムキン |
| 7 | 9/7 | カラオーラ – サラゴサ | 140 | エリック・ツァベル | ウラジミール・エフィムキン |
| 8 | 9/8 | カリニェーナ – サラゴサ(個人TT) | 49 | ベルト・グラプシュ | ステイン・デヴォルデル |
| 9 | 9/9 | ウエスカ – セルレール | 174 | レオナルド・ピエポリ | デニス・メンショフ |
| 10 | 9/10 | ベナスケ – オルディノ教区(アンドラ) | 220 | デニス・メンショフ | デニス・メンショフ |
| 休息日 | |||||
| 11 | 9/12 | オルペーサ – アルジェメジー | 190 | アレサンドロ・ペタッキ | デニス・メンショフ |
| 12 | 9/13 | アルジェメジー – エジン | 167 | アレサンドロ・ペタッキ | デニス・メンショフ |
| 13 | 9/14 | エジン – トーレ・パチェーコ | 150 | アンドレアス・クリール | デニス・メンショフ |
| 14 | 9/15 | プエルト・ルンブレーラス – ビジャカリージョ | 205 | ジェイソン・マッカートニー | デニス・メンショフ |
| 15 | 9/16 | ビジャカリージョ – グラナダ | 205 | サムエル・サンチェス | デニス・メンショフ |
| 休息日 | |||||
| 16 | 9/18 | ハエン – プエルトジャーノ | 165 | レオナルド・ドゥケ | デニス・メンショフ |
| 17 | 9/19 | シウダ・レアル – タラベーラ・デ・ラ・レイナ | 180 | ダニエーレ・ベンナーティ | デニス・メンショフ |
| 18 | 9/20 | タラベーラ・デ・ラ・レイナ – アビラ | 154 | ルイス・ペレス・ロドリゲス | デニス・メンショフ |
| 19 | 9/21 | アビラ – アルト・デ・アバントス | 135 | サムエル・サンチェス | デニス・メンショフ |
| 20 | 9/22 | コジャード・ビジャルバ(個人TT) | 25 | サムエル・サンチェス | デニス・メンショフ |
| 21 | 9/23 | リバス=バシアマドリード – マドリード | 100 | ダニエーレ・ベンナーティ | デニス・メンショフ |
全成績
総合順位
| 選手名 | 国籍 | チーム | 時間 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | デニス・メンショフ | ラボバンク | 80時間59分07秒 | |
| 2 | カルロス・サストレ | チームCSC | + 3分31秒 | |
| 3 | サムエル・サンチェス | エウスカルテル・エウスカディ | + 3分46秒 | |
| 4 | カデル・エヴァンス | プレディクトール・ロット | + 3分56秒 | |
| 5 | エセキエル・モスケラ | カルピン・ガルシア | + 6分34秒 | |
| 6 | ウラジミール・エフィムキン | ケス・デパーニュ | + 7分07秒 | |
| 7 | ウラジミール・カルペツ | ケス・デパーニュ | + 8分09秒 | |
| 8 | イゴール・アントン | エウスカルテル・エウスカディ | + 8分44秒 | |
| 9 | マヌエル・ベルトラン | リクィガス | + 9分38秒 | |
| 10 | カルロス・バレード | クイックステップ・イネルゲティック | + 10分12秒 | |
| 11 | マキシム・モンフォール | コフィディス | + 10分37秒 | |
| 12 | ダニエル・モレノ | リラックス | + 13分07秒 | |
| 13 | ステファヌ・グベール | AG2r | + 14分13秒 | |
| 14 | ダビ・ロペス | ケス・デパーニュ | + 17分36秒 | |
| 15 | オリヴァー・ツァウク | ゲロルシュタイナー | + 19分00秒 | |
| 16 | シルヴァン・シャヴァネル | コフィディス | + 22分19秒 | |
| 17 | ユベール・デュポン | ゲロルシュタイナー | + 29分33秒 | |
| 18 | ルイス・ペレス・ロドリゲス | アンダルシア | + 31分41秒 | |
| 19 | クリスアンケル・セレンセン | チームCSC | + 32分24秒 | |
| 20 | リュドヴィック・テュルパン | AG2r | + 32分39秒 |
ポイント賞
| 順位 | 選手名 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | ランプレ・フォンディタル | 147 | |
| 2 | ラボランク | 135 | |
| 3 | エスカルテル | 127 | |
| 4 | チーム・ミルラム | 126 | |
| 5 | プレディクトール・ロト | 91 |
山岳賞
| 順位 | 選手名 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | ラボバンク | 90 | |
| 2 | ディスカバリー・チャンネル | 78 | |
| 3 | チームCSC | 69 | |
| 4 | リクイガス | 63 | |
| 5 | エスカルテル | 54 |
コンビネーション賞
| 順位 | 選手名 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | ラボバンク | 4 | |
| 2 | エスカルテル | 11 | |
| 3 | チームCSC | 15 | |
| 4 | プレディクトール・ロト | 16 | |
| 5 | ケス・デパーニュ | 25 |
チーム成績
| 順位 | チーム | 時間 |
|---|---|---|
| 1 | 242時間55分05秒 | |
| 2 | +12分43秒 | |
| 3 | +30分25秒 | |
| 4 | +36分02秒 | |
| 5 | +56分33秒 |
脚注
- ^ アスタナはツール・ド・フランス2007以降のドーピング問題に伴いチームの活動を自粛しているため、またユニベットは主催者から除外されたもの。ユニベットを除外した経緯についてはUCIプロツアーの当該項を参照のこと。
- ^ 2005年の総合優勝については、ロベルト・エラスの失格による順位繰上げでの優勝だった。
参考文献
- ブエルタ・ア・エスパーニャ2007 - cyclingtime.com
関連項目
- ブエルタ・ア・エスパーニャ2007のページへのリンク